JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL37] [JJ] 地球年代学・同位体地球科学

2017年5月25日(木) 09:00 〜 10:30 101 (国際会議場 1F)

コンビーナ:田上 高広(京都大学大学院理学研究科)、佐野 有司(東京大学大気海洋研究所海洋地球システム研究系)、座長:田上 高広(京都大学大学院理学研究科)、座長:佐野 有司(東京大学大気海洋研究所海洋地球システム研究系)

09:45 〜 10:00

[SGL37-04] 大町テフラのジルコンのU-Pbおよび(U-Th)/He年代測定

*伊藤 久敏1Danišík Martin2大石 雅之3中里 裕臣4 (1.電力中央研究所、2.Curtin University、3.立正大学、4.農業・食品産業技術総合研究機構)

キーワード:第四紀、テフラ、U-Pb年代測定、(U-Th)/He年代測定

更新世の指標テフラの一つである大町テフラから分離したジルコンを用い, LA-ICP-MSによるU-Pb年代測定を実施した.今回対象とした大町テフラは長野県大町市の露頭から採取したA1PmとDPmであり,同露頭で下位よりA1Pm,A2Pm,A3Pm,B Scoria,DPm,EPmの6枚のテフラを確認した.A1PmとDPmは斜方輝石の屈折率等で同定を確認した.A1PmのU-Pb年代測定結果は,0.43±0.02 Ma(誤差は95% confidence level)であり,層序や既存のフィッション・トラック年代測定結果と概ね整合する結果が得られた.DPmのU-Pb年代測定結果は0.28±0.05 Maであり,層序から推定されている年代である約0.1 Maとはかい離した結果が得られた.U-Pb年代はジルコンがマグマから晶出した年代を示すため,テフラの噴出年代を示す訳ではない.これに対し,(U-Th)/He年代はテフラの噴出年代を示すと期待される.現在,(U-Th)/He年代測定を実施中であり,発表ではこの結果も含めて報告する.