JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-IT 地球内部科学・地球惑星テクトニクス

[S-IT22] [EE] 核-マントルの相互作用と共進化

2017年5月20日(土) 10:45 〜 12:15 A05 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:土屋 卓久(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、寺崎 英紀(大阪大学大学院理学研究科)、Satish-Kumar Madhusoodhan(Department of Geology, Faculty of Science, Niigata University)、入舩 徹男(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、Hernlund John(Earth-Life Science Institute, Tokyo Institute of Technology)、大谷 栄治(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、座長:入舩 徹男(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)

12:00 〜 12:15

[SIT22-12] 地球史を通じたマントルダイナミクスの歴史

*丸山 茂徳1 (1.東京工業大学地球生命研究所)

キーワード:presence of water, hydrous plume, superplume, Hadean primordial continent

1990年代に太平洋中央部におけるスーパープルームの存在が明らかになって以来、プルームやスーパープルームの原理が長く議論されてきた。また、プルームやスーパープルームの駆動力についても議論が進み、特に、中心核のみを熱源としてこれらの現象を説明できるかという議論がある。おそらく、核は熱源としては不十分で、重要な熱源としての役割を果たしたのは、放射性源元素(主にウラン、カリウム、トリウム)を豊富に含む花崗岩(TTG)だと考えられる。これらの岩石は、地球内部のD“層やマントル遷移層(深さ410-660km)に滞留しており、プレートテクトニクスによって沈み込み帯から地球深部に運ばれたものである。特に、冥王代の地球表層に存在したと考えられる原初大陸はCMBに存在しているはずである。こうした原初大陸の分布は、表層地質の記録にっ基づくマントルダイナミクスモデルによってすでに明らかにされている (Kawai et al., 2008, Tsuchiya and Maruyama, 2012, Maruyama et al., 2015; Zhao et al., 2017). D”層に蓄積した原初大陸の物質は、放射性元素の崩壊熱によって発熱し、固体核を溶融させ、液体核を作った。そして、そのことによって、地球磁場を形成することになった。
地球史におけるマントルダイナミクスを議論するためには、揮発性物質、特に水の存在とその役割を理解することが最も重要で、含水プルームを地下410kmで発生させる最も重要な要素である。したがって、含水鉱物の安定領域やベニオフ面にそった温度勾配とその地球史を通じた変化の理解が必要不可欠である。