14:30 〜 14:45
[SMP42-16] 南西インド洋海嶺Prince Edward Transform 断層のかんらん岩ウルトラマイロナイト~トランスフォーム断層下マントルの含水剪断変形~
南西インド洋海嶺はインド洋の3つの海嶺の会合点であるロドリゲス三重点の南西に位置し,世界的にも拡大速度の遅い超低速拡大海嶺である.本研究では,1983年のPROTEA5航海において南西インド洋海嶺のプリンスエドワードトランスフォーム断層で採取されたかんらん岩21試料の微細構造解析を行った.
本研究に用いたかんらん岩にはかんらん石,斜方輝石,単斜輝石,スピネルが含まれ,一部角閃石を含む試料も存在した.EPMAによる主要元素組成分析の結果,ほとんどの試料の組成がマントル起源のかんらん岩であることが分かった.角閃石にはトレモライトとmagnesiohornblendeが存在することが分かった.
薄片観察から本研究に用いた21試料は,それぞれの微細組織に基づいてほとんどの部分が粒径3~5μmの細粒基質からなるウルトラマイロナイト,粗粒結晶と細粒基質からなる不均質な組織の試料,カタクレーサイト,蛇紋岩化が進行した試料の4通りに分類できた.これらのうち,ウルトラマイロナイトと不均質な組織の試料の組織から,角閃石はかんらん岩の変形前か変形開始初期に形成されたと考えられる.不均質な試料には,輝石やスピネルのブーディン構造が見られるものがあった.角閃石を含むかんらん岩の結晶方位ファブリックはB,Eタイプ,角閃石のないかんらん岩の結晶方位ファブリックはA,Dタイプであった.
上記の結果は,トランスフォーム断層下のマントル流動が水の影響を受けていた可能性を示している.また,トランスフォーム断層からマントルへ水の移動が起こっていることが示唆される.
本研究に用いたかんらん岩にはかんらん石,斜方輝石,単斜輝石,スピネルが含まれ,一部角閃石を含む試料も存在した.EPMAによる主要元素組成分析の結果,ほとんどの試料の組成がマントル起源のかんらん岩であることが分かった.角閃石にはトレモライトとmagnesiohornblendeが存在することが分かった.
薄片観察から本研究に用いた21試料は,それぞれの微細組織に基づいてほとんどの部分が粒径3~5μmの細粒基質からなるウルトラマイロナイト,粗粒結晶と細粒基質からなる不均質な組織の試料,カタクレーサイト,蛇紋岩化が進行した試料の4通りに分類できた.これらのうち,ウルトラマイロナイトと不均質な組織の試料の組織から,角閃石はかんらん岩の変形前か変形開始初期に形成されたと考えられる.不均質な試料には,輝石やスピネルのブーディン構造が見られるものがあった.角閃石を含むかんらん岩の結晶方位ファブリックはB,Eタイプ,角閃石のないかんらん岩の結晶方位ファブリックはA,Dタイプであった.
上記の結果は,トランスフォーム断層下のマントル流動が水の影響を受けていた可能性を示している.また,トランスフォーム断層からマントルへ水の移動が起こっていることが示唆される.