JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-MP 岩石学・鉱物学

[S-MP43] [JJ] 脆性延性境界と超臨界地殻流体:島弧地殻エネルギー

2017年5月23日(火) 13:45 〜 15:15 202 (国際会議場 2F)

コンビーナ:土屋 範芳(東北大学大学院環境科学研究科環境科学専攻)、浅沼 宏(産業技術総合研究所・再生可能エネルギー研究センター)、小川 康雄(東京工業大学理学院火山流体研究センター)、座長:土屋 範芳(東北大学大学院環境科学研究科環境科学専攻)、座長:浅沼 宏(産業技術総合研究所・再生可能エネルギー研究センター)

14:15 〜 14:30

[SMP43-03] 高温延性花崗岩の水圧破砕特性と透水性向上に対する水圧刺激の効果

*坂口 清敏1渡邉 則昭1 (1.東北大学大学院環境科学研究科)

キーワード:延性岩体、水圧刺激

高温延性岩体中への地熱貯留槽の造成が提案されている。しかしながら,延性条件下の岩石に対する水圧刺激による破壊特性は未解明である。そこで本研究では,温度200 ℃~450 ℃,封圧40 MPaの条件下で,中心にボアホールを有する花崗岩円柱供試体に対して水圧刺激実験を行った。その結果,全ての温度環境においてき裂の生成が確認され,生成されるき裂の形態は温度によって異なることを明らかにした。主なこの原因は,破砕流体の粘度が温度によって変化するためである。200℃の条件においては,線形に連続したき裂が生成され,このときの破砕水圧は封圧よりも大きかった。なお,この結果は室温環境下と同じであった。一方,450℃の条件においては,多くの離散き裂が供試体全体に亘ってクラウド状に生成され,この時の破砕水圧は封圧と同程度であった。空隙率および透水性はすべての温度環境下において増加した。このことから,脆性-延性遷移温度を超える高温条件下においても,水圧刺激によって十分な透水性を持った地熱貯留槽の造成の可能性あるとした。