15:30 〜 15:45
[SMP43-07] 高温高圧下におけるNaCl-H2O流体の分子動力学計算
★招待講演
キーワード:超臨界流体、電気伝導度、密度、誘電率、塩水
地殻における流体は、物質移動・熱輸送・岩石物性に影響を与えており、その性質を知ることが重要である。我々は地殻における流体の物性を知ることで、①地震波や電磁気観測の結果を流体の存在として説明できるかどうかの流体物性の提供、②流体の性質を記述するための物理化学の発展、という二つの研究課題に取り組んできた。地殻における流体の主成分はH2O, NaCl, CO2と考えられており、この主成分で構成される流体の物性が第一に必要とされる。本研究ではNaCl-H2O流体に関しての研究成果を議論する。
①の研究課題については、我々の分子動力学(MD)計算から、NaCl-H2O流体の密度・電気伝導度について、673 ~ 2000 K, 0.2 ~ 2 GPa, 0 ~ 10 wt% NaCl(密度に関しては22 wt%まで)を推定した[1, 2]。これらのデータベースを利用して、地震波や電磁気観測の結果と比較することで地殻における流体の存在形態をある程度推定することが可能となった。
②の研究課題については、イオンや分子を直接取り扱うMD計算の解析結果を用いることで、尤もらしいモデルを構築できる。本発表では、NaCl-H2O流体の密度・電気伝導度・誘電率がミクロなイオン・分子のどのような挙動によって決まるかについて議論する。
References
Sakuma and Ichiki (2016) Geofluids, 16, 89-102.
Sakuma and Ichiki (2016) J. Geophys. Res. Solid Earth, 121, 577-594.
①の研究課題については、我々の分子動力学(MD)計算から、NaCl-H2O流体の密度・電気伝導度について、673 ~ 2000 K, 0.2 ~ 2 GPa, 0 ~ 10 wt% NaCl(密度に関しては22 wt%まで)を推定した[1, 2]。これらのデータベースを利用して、地震波や電磁気観測の結果と比較することで地殻における流体の存在形態をある程度推定することが可能となった。
②の研究課題については、イオンや分子を直接取り扱うMD計算の解析結果を用いることで、尤もらしいモデルを構築できる。本発表では、NaCl-H2O流体の密度・電気伝導度・誘電率がミクロなイオン・分子のどのような挙動によって決まるかについて議論する。
References
Sakuma and Ichiki (2016) Geofluids, 16, 89-102.
Sakuma and Ichiki (2016) J. Geophys. Res. Solid Earth, 121, 577-594.