JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-MP 岩石学・鉱物学

[S-MP44] [JJ] 鉱物の物理化学

2017年5月21日(日) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:大藤 弘明(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、鎌田 誠司(東北大学学際科学フロンティア研究所)

[SMP44-P08] 地球惑星の鉱物の形成と反応の対比的な特異性

*三浦 保範1 (1.客員(山口, AIC大学))

キーワード:地球の鉱物、揮発性急冷固化物、多様な鉱物特性

鉱物結晶は, 地質・岩石・鉱石を構成する物理化学的最小単位であり世界的に記載されデータベース化されている. しかし,その同定した鉱物の生成は, 現在の地球の環境の変化で生成したマクロ固体結晶で記載された環境指標物で, 地球の各時代の変化時や地球外天体(月・火星等)の環境によって全て異なる固体である. 本研究の目的は, 鉱物が水惑星地球の継続的で特異な生成環境固体である事と,そのため創成期地球や地球外環境(水圏の有無)で対比的に議論する事である.

1. 活動的な水惑星地球で形成された鉱物は, 生成変化の時間と採取した場所の環境情報を持ち, 詳細には全て異なった要素からできている. そのため, 地球の代表の鉱物は物理化学的には存在しないが同定データベース上では鉱物名として登録されている.

2. 地球上で, 異なった時間(地質時代)に生成した鉱物は鉱物名が同じであるが, 生成する物理化学的環境情報は異なる.
3. 地球内外天体において同じ鉱物名のデータベースが記載できでも, 地球に比べて生成の物理化学的情報は異なる. そのため, 地球と同じ大気・海水圏で生成し更に分別進化した鉱物か, 特異な水惑星地球と異なる地球外に普遍的な岩石圏で生成されたかは, 正確にはいずれも地球外環境データが完備しないと議論ができないが, 記載的な少数の鉱物名の記載だけで少なくとも過去に地球型海水圏が存在していた根拠にはなりにくい.

4. 本研究では, 地球の鉱物が 固体岩石圏から結晶構造に位置しない気体・流体を上空物質圏に蒸発させる過程を継続的に繰り返した後に形成された全圏的な固体残存物質であり, 太陽系では特異的な鉱物であることがわかる.
5. それらの考えを示す地球の各種岩石鉱物と月面・隕石中の岩石鉱物の組成と残留した揮発急冷固化物(炭素含有物)について, 本会議で電子顕微鏡等によるナノテク観察画像等を紹介する.

6. 衝撃過程で形成された揮発急冷固化物(炭素含有物)の元素(炭素)が分解されてできた天体の表面又地下浅所および深所のマントル岩の内部揮発性元素(ダイヤモンド炭素)の起源については, 大きく成長移動したした惑星天体ほど現在の地下の深さだけでの解明は難しい.

7. 以上の成果から, 揮発急冷固化物(炭素含有物)が衝撃時に残留して創成期の天体のままで残存する天体試料(月・小惑星・火星)にも観察できることは, それらの天体に地球惑星の活動的な海水圏の形成されず、消去されないで残存していることを示す新しい証拠である.