[SSS04-P52] 九州四万十付加体槙峰メランジュの石英充填剪断脈形成速度とスロー地震発生サイクルの比較検討
キーワード:石英充填剪断脈、反応速度、き裂閉塞時間、スロー地震発生周期
これまで地球物理学的観測により,スロー地震発生への流体の関与が示唆されている。しかし,その地質学的実態や変形過程は現在もよく分かっていない。深度15 km未満の浅部スロー地震発生域で形成された付加体には,石英で充填された剪断脈が,ある幅(~60 m)で集中して発達している。石英脈形成過程では,石英の析出反応による岩石き裂閉塞が岩石透水率の減少と流体圧の上昇に寄与し,スロー地震の発生に影響を及ぼしている可能性がある。しかし,石英脈形成速度とスロー地震発生周期の定量的な関係は分かっていない。本研究では,九州東部四万十付加体上部白亜系槇峰メランジュ中に発達する石英充填剪断脈の形成速度を計算し,石英脈形成速度とスロー地震発生の時間スケールを比較する。