11:00 〜 11:15
[SSS07-07] 動力学的断層破壊シミュレーションに基づく断層極近傍の強震動の評価手法の提案
キーワード:strong motions, close fault, dynamic simulation
我が国では、通常の強震動予測(例えば、地震調査研究推進本部,2016)では、表層の下の地震発生層に位置している断層からの地震動しか考慮していない。しかしながら、内陸地震では断層極近傍における強震動に対して表層に位置している断層からの地震動が影響を与える可能性がある。そこで、本研究では、鉛直横ずれ断層と逆断層を対象に、表層に位置する断層からの地震動が強震動に与える影響を評価する方法を提案した。
本方法では、三次元有限差分法による動力学的断層破壊シミュレーションで得られた断層面上のすべり速度時間関数を用いて、波数積分法により地震動を計算した。例示のため、地震動の計算は断層トレースから50mと2kmの地点で行った(本稿では50mの場合のみを示す)。断層モデルは25kmの長さで、表層の厚さが3km、地震発生層の厚さが15kmで、断層面にすべり弱化則を組み込んだ。断層モデルは、地表や地中の断層のパラメータに関する3つの経験的関係式(松田,1975;入倉・三宅,2001;壇・他,2001)を拘束条件として、設定した。
鉛直横ずれ断層の結果では、断層トレースから50mの地点において、断層全体による地震動の断層直交成分の80~90%が地震発生層に位置する断層による地震動であった。また、断層平行成分はほぼ100%が表層に位置する断層による地震動であった。断層トレースから50mの地点においては、周期0.5~6秒で、断層直交成分の方が断層平行成分より大きくなった。
鉛直横ずれ断層と同じ方法で、逆断層についても計算を行った。その結果、断層トレースから50mの地点において、周期3秒以下で断層全体による地震動の断層直交成分の100%が地震発生層に位置する断層による地震動であること、周期3秒以上で地震発生層に位置する断層による地震動が断層全体による地震動の約70%に減少していることがわかった。断層平行成分では、表層に位置している断層による地震動と地震発生層に位置している断層による地震動は同程度であることがわかった。断層トレースから50mの地点においては常に断層直交成分のほうが断層平行成分よりも大きくなった。
本方法では、三次元有限差分法による動力学的断層破壊シミュレーションで得られた断層面上のすべり速度時間関数を用いて、波数積分法により地震動を計算した。例示のため、地震動の計算は断層トレースから50mと2kmの地点で行った(本稿では50mの場合のみを示す)。断層モデルは25kmの長さで、表層の厚さが3km、地震発生層の厚さが15kmで、断層面にすべり弱化則を組み込んだ。断層モデルは、地表や地中の断層のパラメータに関する3つの経験的関係式(松田,1975;入倉・三宅,2001;壇・他,2001)を拘束条件として、設定した。
鉛直横ずれ断層の結果では、断層トレースから50mの地点において、断層全体による地震動の断層直交成分の80~90%が地震発生層に位置する断層による地震動であった。また、断層平行成分はほぼ100%が表層に位置する断層による地震動であった。断層トレースから50mの地点においては、周期0.5~6秒で、断層直交成分の方が断層平行成分より大きくなった。
鉛直横ずれ断層と同じ方法で、逆断層についても計算を行った。その結果、断層トレースから50mの地点において、周期3秒以下で断層全体による地震動の断層直交成分の100%が地震発生層に位置する断層による地震動であること、周期3秒以上で地震発生層に位置する断層による地震動が断層全体による地震動の約70%に減少していることがわかった。断層平行成分では、表層に位置している断層による地震動と地震発生層に位置している断層による地震動は同程度であることがわかった。断層トレースから50mの地点においては常に断層直交成分のほうが断層平行成分よりも大きくなった。