12:00 〜 12:15
[SSS12-18] 長岡平野西縁断層帯海域部の活構造分布と活動性について
キーワード:長岡平野西縁断層、活構造、高分解能反射法地震探査
文部科学省委託調査事業「内陸及び沿岸海域の活断層調査」の一環として,長岡平野西縁断層帯海域部において海底活断層調査を実施した。本調査の目的は,海域延長部における活構造の分布・性状,陸域部との連続性,海域端部の位置,完新統中の活動性と活動履歴を出来る限り正確に把握することである。既に本調査海域では海上ボーリングも含めて反射法地震探査記録等,数多くの調査データが取得されている。本調査においては,これら既存データを参照しつつ,ブーマーを音源とする高分解能マルチチャンネル音波探査(総測線長150km)およびバイブロコアラーによる柱状採泥(2地点)を実施した。
長岡平野西縁断層帯は小千谷市付近から新潟沖に至る全長約83km,西側が隆起する逆断層である。この断層帯が仮に一区間として活動した場合,地震規模はM8クラス,変位量は6m~7mと推定される(地震調査推進本部,2004)。活動セグメントとしては南側から片貝活動セグメント,鳥越活動セグメント,弥彦活動セグメントに区分される。本調査海域は,最も北側の弥彦活動セグメントに属する角田山東縁断層の海域延長部にあたる。この断層の陸域部では上盤側に角田・弥彦山地が形成され,その海域延長部には断層関連褶曲と解釈される四ツ郷屋沖背斜がほぼ南北に分布している。
本研究においては,今回取得した反射法地震探査記録に既存の記録断面も加え,四ツ郷屋沖背斜下における沖積層基底面の撓曲構造を追跡した。その結果,この撓曲構造は,その沖合に分布する北東-南西方向の隆起帯である角田瀬の斜面に至って構造的には認識できなくなることが判明した。また,海底面に撓曲が及んでいる領域があることから,最新活動時に海底に変位を及ぼした可能性もある。
撓曲を挟んで実施された既存の海上ボーリング(上盤側27m、下盤側58m)の結果から求められた平均的な堆積速度は上盤側で1.22m/千年程度,下盤側4.74m/千年程度となっており,大きく異なる。この傾向は,本調査でバイブロコアラーにより取得した海底下5m程度においても同様である。取得した反射法地震探査断面と既存の海上ボーリングデータの対比から算出された上下変位の平均変位速度は約3.8m/千年となる。
長岡平野西縁断層帯は小千谷市付近から新潟沖に至る全長約83km,西側が隆起する逆断層である。この断層帯が仮に一区間として活動した場合,地震規模はM8クラス,変位量は6m~7mと推定される(地震調査推進本部,2004)。活動セグメントとしては南側から片貝活動セグメント,鳥越活動セグメント,弥彦活動セグメントに区分される。本調査海域は,最も北側の弥彦活動セグメントに属する角田山東縁断層の海域延長部にあたる。この断層の陸域部では上盤側に角田・弥彦山地が形成され,その海域延長部には断層関連褶曲と解釈される四ツ郷屋沖背斜がほぼ南北に分布している。
本研究においては,今回取得した反射法地震探査記録に既存の記録断面も加え,四ツ郷屋沖背斜下における沖積層基底面の撓曲構造を追跡した。その結果,この撓曲構造は,その沖合に分布する北東-南西方向の隆起帯である角田瀬の斜面に至って構造的には認識できなくなることが判明した。また,海底面に撓曲が及んでいる領域があることから,最新活動時に海底に変位を及ぼした可能性もある。
撓曲を挟んで実施された既存の海上ボーリング(上盤側27m、下盤側58m)の結果から求められた平均的な堆積速度は上盤側で1.22m/千年程度,下盤側4.74m/千年程度となっており,大きく異なる。この傾向は,本調査でバイブロコアラーにより取得した海底下5m程度においても同様である。取得した反射法地震探査断面と既存の海上ボーリングデータの対比から算出された上下変位の平均変位速度は約3.8m/千年となる。