[SSS12-P09] 北上低地西縁断層帯のセグメンテーション
キーワード:北上低地西縁断層帯
北上低地西縁断層帯は,岩手県の紫波郡矢巾町西方から胆沢郡胆沢町南部にかけてほぼ南北に延びている活断層帯であり,上平断層や出店断層などの諸断層によって構成される.この断層帯は初生的には中新世の日本海拡大時に引張応力場のもとで正断層として形成され,鮮新世以降の圧縮応力場により逆断層として再活動していると言われている.これまでにいくつもの調査研究がなされてきたが,その地下構造がどのように連続しているかはいまだ明らかではない.私たちは重力調査により2次元地下密度構造モデルを推定し,北上低地西縁断層帯の地質構造の解釈を行ってきた.本論ではその過去のデータをまとめあげ,北上低地西縁断層帯の構造的連続性を解明することを試みる.
重力調査は,東西方向にひいた4つの測線に沿って行い,南から北に向かって水沢(約50km),金ケ崎(約12km),夏油(約9km),和賀(約12km)測線と名付けた.水沢測線では株式会社地球科学総合研究所所有のラコステ・ロンバーグ型重力計を用い,残りの重力測線では,シントレックス社製可搬型相対重力計CG-5を使用した.なお,いずれの重力線も測定間隔は200 mを基本とした.観測点の位置および標高は,RTK-GPSを用いて測定した.また,ブーゲー補正および地形補正に用いた仮定密度は,調査地域の地質や屈折法地震探査の結果を考慮して,2.2g/cm3とした.得られたブーゲー異常に対して,広域的な重力異常の影響を取り除くためトレンド補正を行った.
水沢,和賀,金ケ崎測線においては反射法地震探査断面を考慮して密度構造モデルを作成した.また,いずれの測線においても,密度の異なる3層を仮定し,基盤岩に相当する第3層の密度は2.7 g/cm3とした.以上の条件で比較してみたところ,夏油と和賀の測線,金ケ崎と水沢の測線はそれぞれ連続性を示した.夏油と和賀には,2つの半地溝が存在し,その東縁の境界断層が反転し衝上断層として再活動する.金ケ崎と水沢には,1つの半地溝が存在し,境界断層として再活動している.そのため,北上低地西縁断層帯のセグメント境界は夏油―和賀地域と金ケ崎―水沢地域の間にあると結論付けた.
重力調査は,東西方向にひいた4つの測線に沿って行い,南から北に向かって水沢(約50km),金ケ崎(約12km),夏油(約9km),和賀(約12km)測線と名付けた.水沢測線では株式会社地球科学総合研究所所有のラコステ・ロンバーグ型重力計を用い,残りの重力測線では,シントレックス社製可搬型相対重力計CG-5を使用した.なお,いずれの重力線も測定間隔は200 mを基本とした.観測点の位置および標高は,RTK-GPSを用いて測定した.また,ブーゲー補正および地形補正に用いた仮定密度は,調査地域の地質や屈折法地震探査の結果を考慮して,2.2g/cm3とした.得られたブーゲー異常に対して,広域的な重力異常の影響を取り除くためトレンド補正を行った.
水沢,和賀,金ケ崎測線においては反射法地震探査断面を考慮して密度構造モデルを作成した.また,いずれの測線においても,密度の異なる3層を仮定し,基盤岩に相当する第3層の密度は2.7 g/cm3とした.以上の条件で比較してみたところ,夏油と和賀の測線,金ケ崎と水沢の測線はそれぞれ連続性を示した.夏油と和賀には,2つの半地溝が存在し,その東縁の境界断層が反転し衝上断層として再活動する.金ケ崎と水沢には,1つの半地溝が存在し,境界断層として再活動している.そのため,北上低地西縁断層帯のセグメント境界は夏油―和賀地域と金ケ崎―水沢地域の間にあると結論付けた.