[SSS13-P14] 1979年トゥマコ(コロンビア)地震の震源過程とエクアドル・コロンビア沈み込み帯における破壊の特徴
キーワード:1979年トゥマコ地震、震源過程、コロンビア
1979年トゥマコ地震は,エクアドル・コロンビア沈み込み帯おいて1906年エクアドル・コロンビア地震に次ぐ観測史上2番目に大きい地震である.しかしながら1979年地震に関しては,長周期表面波を用いた地震モーメントと破壊伝播速度の推定[Kanamori and Given, PEPI, 1981]やP波を用いたデコンボリューションによる震源時間関数の推定[Beck and Ruff, JGR, 1984]がなされているのみであった.1979年地震のすべりの時空間分布を明らかにし,1906年地震の破壊域との関係を議論することは,将来この地域で発生する大地震の強震動や津波予測をする上で重要である.そこで本研究では,遠地実体波を用いた1979年地震の震源過程解析を行った.
解析には震央距離が30°から100°のWWSSNの長周期地震計記録(P波上下動6点と水平動3点)を使用した.グリーン関数はKikuchi and Kanamori [BSSA, 1991]の方法を用いて計算した.波形インバージョン法はKikuchi et al. [EPS, 2003]の方法を適用し,断層面上のすべりの時空間分布を推定した.
解析の結果,大すべり域が震源より北東側に求められた.この大すべり域の位置は強震動や津波の被害の大きい地域とほぼ整合的である.この地震の震源域付近の平均のプレートカップリング率は30%程度であると推定されている[White et al., EPSL, 2003].本研究で得られたこの地震の平均すべり量は2.4 mであったことから,この地震の再来間隔はおよそ174年であると推定される.この結果は1906年エクアドル・コロンビア地震が1979年トゥマコ地震の領域を破壊していなかった事を示唆しており,Yoshimoto and Kumagai [AGU fall meeting, 2016]の1906年エクアドル・コロンビア地震の津波波源モデルとも整合的である.
解析には震央距離が30°から100°のWWSSNの長周期地震計記録(P波上下動6点と水平動3点)を使用した.グリーン関数はKikuchi and Kanamori [BSSA, 1991]の方法を用いて計算した.波形インバージョン法はKikuchi et al. [EPS, 2003]の方法を適用し,断層面上のすべりの時空間分布を推定した.
解析の結果,大すべり域が震源より北東側に求められた.この大すべり域の位置は強震動や津波の被害の大きい地域とほぼ整合的である.この地震の震源域付近の平均のプレートカップリング率は30%程度であると推定されている[White et al., EPSL, 2003].本研究で得られたこの地震の平均すべり量は2.4 mであったことから,この地震の再来間隔はおよそ174年であると推定される.この結果は1906年エクアドル・コロンビア地震が1979年トゥマコ地震の領域を破壊していなかった事を示唆しており,Yoshimoto and Kumagai [AGU fall meeting, 2016]の1906年エクアドル・コロンビア地震の津波波源モデルとも整合的である.