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[SSS14-05] 海水位変化の調査から推定される1946年南海地震の断層モデル
キーワード:1946年南海地震、海水位変化、断層モデル
1946年南海地震の断層モデルを測地学的データから求める際には,当時の地理調査所(現在の国土地理院)の測量データに基づく場合が多い.上下変動は水準測量から求められるが,地震前の測量は1930年前後,地震後は1953年であり,1944年東南海地震による変動と1946年南海地震のそれとの区別が出来ない.一方,当時の水路部(現在の海上保安庁海洋情報部)では南海地震の直後に現地調査を行い,漁業会や役所の報告をもとに,両地震それぞれの上下変動量を調査値として求めている(水路部,1948).この調査値は港湾や漁港などにおいて,地震前後の海水位の変化を目視で求めたものであり,誤差は最大で0.3mとされているが,誤差を超える変動があったところでは有意な変動値として用いることが出来る.紀伊半島に関しては1944年東南海地震と1946年南海地震それぞれの上下変動と断層モデルを提案した(梅田・板場,2016).今回は紀伊半島から四国にかけて,水路部の調査値(図1)に基づいて, 1946年南海地震の断層モデルを推定した(図2).図中4つの逆断層は,Hirose (2016)から推定されるフィリピン海プレート境界面上に仮定されている.紀伊半島東岸では1946年南海地震の際にも運動があったこと,また調査結果として足摺岬付近の隆起は知られていたが,当時は水準測量の路線がなかったため不明だった同地域においても図2に示すように断層運動があったことが示された.断層モデルの計算にはMICAP-Gを利用した.以下参考文献:水路部,1948,昭和21年南海大地震報告,地変及び被害編,水路要報,201号., Hirose,F ,2016, Fuyuki Hirose’s HP, http://www.mri-jma.go.jp/Dep/sv/2ken/fhirose/en/en.research_index.html. ,梅田康弘,板場智史,2016,1946年南海地震の破壊域は紀伊半島東岸まで伸びていたのか,日本地震学会2016年秋季大会,S14-04,p30.