[STT57-P06] 合成開口レーダを用いた東南極域における時系列棚氷・氷床変動
キーワード:SAR、時系列解析
ALOS-2やSentinel-1Aの打ち上げから3年が過ぎ、これらの衛星は順調に極域のデータを収集している。1991年のERS-1/SARによる極域観測が始まったころからすると広域、高頻度、多周波数での観測が実現されつつある。昨年のJpGUでは、こうした状況を生かし、LH湾にて突然発生した定着氷の流失イベントについて複数のSARデータを用いた解析と報告が可能であった。今回は、昨年度の成果を踏まえ、LH湾の定着氷のその後の変化状況の解析および、西南極域に比べてClimate Changeに対する応答がゆるやかであると言われている東南極、なかでも特に昭和基地・LH湾を含む周辺のPrinsesse Lagnhild Kyst地域を中心に、時系列のSARデータセットを用いた解析を行う。SARを用いた解析としては、InSARを用いたGrounding Lineの時系列解析と、後方散乱画像を用いた時系列変化の解析を行う。また、これらSARデータの解析結果に高度計のデータも用いることで、本地域における棚氷の変化量の定量的な把握も試みる。なお、時系列解析に際しては、SAR強度画像の利用が比較的簡便に可能なGoogleEarthEngineの利用も試みる予定である。