JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT59] [JJ] 地震観測・処理システム

2017年5月21日(日) 10:45 〜 12:15 ポスター会場 (国際展示場 7ホール)

コンビーナ:吉見 雅行(産業技術総合研究所活断層・火山研究部門)

[STT59-P04] 沖縄地方(島嶼部)における荒天時の地動ノイズの特性調査

草野 利夫1仲間 豊1野田 真彦1山城 浩1川門 義治1稲葉 忠司1下地 康博1、*勝間田 明男2 (1.気象庁沖縄気象台、2.気象庁気象研究所)

キーワード:地動ノイズ、荒天時、地震の検知能力

沖縄地方においては、台風等の荒天時には地震の観測数が平常時に比べて少なくなっていることが分かっている。堀本・他(2016)は、台風影響下において、地震計の波形記録のノイズ比が平常に比べ高く、検知能力が低下していることを明らかにした。有感地震は荒天時にも検知できてはいるものの、検知可能な地震の規模が上がってしまうため平常時に比べ地震活動を過小評価する恐れがあることを示唆している。そのため、個々の観測点について荒天時における地動ノイズ特性を調べ、検測時の周波数フィルタの参考にすることが望まれる。​
 「荒天時」の期間について、本調査では要素を風速、波高、波周期の3つとして、次の通りとした。風速は、実況値(10分値)で15m/sec以上の期間とした。波高は、有義波高で3m以上の期間とした。波周期は、有義波周期10秒以上の期間とした。荒天の期間の抽出について、沖縄玉城観測点の最近傍の観測点として、風速についてはアメダスの糸数のデータを、波高・波周期については、港湾局NOWPHASの「那覇」のデータを用いた。地震波形の切り出し期間について、各要素において上述で取得した期間の内、期間最大となる値の時刻の前後10分合計20分間とした。切り出した地震波形について、その期間内に沖縄玉城で地震を検知していないものを調査対象とした。
以下に調査対象データの内、2事例を紹介する。
(1)2015年11月27日 波高≧3mの例
この日は大陸から高気圧が張り出し、港湾局の那覇観測点で27日10時20分に4.18mを記録している。この前後20分間の沖縄玉城観測点の地震波形をフーリエ変換した結果、1Hzと3Hz付近の周波数帯で振幅の大きい波形があることが確認された。
(2)2015年12月17日 波周期≧10秒の例
この日は大陸から高気圧が張り出し、港湾局の那覇観測点で17日15時20分に有義波周期10.0秒を記録している。この前後20分間の沖縄玉城観測点の地震波形をフーリエ変換した結果、1Hz付近の周波数帯で振幅の大きい波形があることが確認された。
 今後更に、期間を拡大し事例を多く収集し、宮古島、石垣島等でも主となる観測点で調査する。