JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC47] [JJ] 活動的火山

2017年5月22日(月) 13:45 〜 15:15 コンベンションホールA (国際会議場 2F)

コンビーナ:前田 裕太(名古屋大学)、青木 陽介(東京大学地震研究所)、座長:寺田 暁彦(東京工業大学火山流体研究センター)、座長:神田 径(東京工業大学理学院火山流体研究センター)

14:45 〜 15:00

[SVC47-17] AMT観測による茶臼岳溶岩ドームにおける3次元比抵抗構造の推定

*木下 貴裕1神田 径2高倉 伸一3関 香織1松永 康生1木下 雄介1相澤 広記4 (1.東京工業大学理学院地球惑星科学系、2.東京工業大学火山流体研究センター、3.国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター、4.九州大学大学院理学研究院付属・地震火山観測研究センター)

キーワード:那須火山群、茶臼岳、AMT、溶岩ドーム、比抵抗構造

栃木県北部に位置する那須火山群の茶臼岳は、約16000年前に活動を始めた安山岩質の成層火山である(山元, 1997:藤田, 1988)。これまでにマグマ噴出を伴う6回の大きな活動期と多数の水蒸気爆発が報告されている。1408~1410年の最後の活動期では、山頂部に現在の溶岩ドームを形成した(山元・伴, 1997)。その後は水蒸気爆発が繰り返され、1881年7月1日の水蒸気爆発では、溶岩ドームの北西側と西側に爆裂火口を形成した。以降の水蒸気爆発(1953年、1960年、1963年)は、いずれもこれらの火口内で発生し(気象庁, 2013)、現在では噴気地帯となっている。気象庁(2015)の観測によると、1963年の水蒸気爆発以降、噴気温度は徐々に低下し、現在は約100℃まで下がっている。また、火山性地震も少なく、噴煙高度も減少傾向にあり、火山活動は低下している。火山活動が低下過程にある火山の内部構造を調べることは、将来活動が活発化した際の基礎データとなるばかりか、現在噴火の準備過程にある火山との対比を行う上でも重要である。このような背景から、本研究では茶臼岳における比抵抗構造調査を行った。
 茶臼岳周辺では、Aizawa et al.(2009)によって既にAMT観測が行われており、2次元比抵抗構造が推定されている。この解析によると、表層に高比抵抗の薄い層、その下に低比抵抗の厚い層が存在することが示された。また、この低比抵抗帯は上層の粘土に富む不透水性の変質層と、下層の熱水流体の2層にわかれ、この不透水性の層が表層の天水の流れの底と深部からの熱水流体のキャップの役割をしていると解釈されている。しかし、この観測では山麓から登山道に沿った測線でしかデータが取得されていないため、溶岩ドーム直下の詳細な比抵抗構造は得られていない。また、Aizawa et al.(2009)は当該火山の比抵抗構造は3次元性が高いと判断されているが、TMモードのデータだけを用いた2次元解析であることから、解析結果の信頼性は必ずしも高くない。
 本研究では、茶臼岳溶岩ドーム下のより詳細な地下構造を明らかにするために、2016年に溶岩ドーム全体でAMT観測を行った。発表では、本研究で観測されたデータとAizawa et al.(2009)の観測データを一部用いて、地形を考慮した3次元比抵抗構造解析の結果について報告する予定である。