JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[JJ] 口頭発表

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[U-06] [JJ] 地球惑星科学の進むべき道-7:防衛装備庁安全保障技術研究制度

2017年5月20日(土) 15:30 〜 17:00 103 (国際会議場 1F)

コンビーナ:大久保 修平(東京大学地震研究所)、川幡 穂高(東京大学 大気海洋研究所)、藤井 良一(名古屋大学)、田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、座長:藤井 良一(名古屋大学)、座長:田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

15:30 〜 15:50

[U06-04] 海洋研究開発機構と安全保障技術研究推進制度との関わりについて

★招待講演

*篠崎 資志1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:海洋研究開発機構、JAMSTEC、防衛装備庁、安全保障技術研究推進制度

国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下「JAMSTEC」)は、昭和46年に認可法人「海洋科学技術センター」として設立され、平成16年度からは、独立行政法人海洋研究開発機構として中期計画に基づく研究開発を推進し、現在は第3期目を迎えている。平成27年度からは、独立行政法人から国立研究開発法人へ移行し、海洋科学技術イノベーションの創出に向け、研究成果の最大化を強く求められている。
防衛装備庁(旧称 防衛省技術研究本部)とJAMSTECは、海洋分野の研究における相互協力を円滑かつ効果的に実施することを目的として平成26年3月27日に「海洋分野における研究協力に関する協定」を締結した。また、防衛省が平成27年度より創設した大学・独立行政法人の研究機関や企業等における独創的な研究を発掘し、将来有望な研究を育成するための競争的資金制度「安全保障技術研究推進制度」については、JAMSTECは平成30年3月までの受託研究1件を実施している。
平成28年1月に閣議決定された「第5期科学技術基本計画(平成28~32年度)」では、「科学技術には多義性があり、ある目的のために研究開発した成果が他の目的に活用できることを踏まえ、(中略)適切に成果の活用を図っていくことが重要」としており、また、「国及び国民の安全・安心を確保するためには、我が国の様々な高い技術力の活用が重要」としている。海洋研究開発においては、「海洋や宇宙の適切な開発、利用及び管理を支える一連の科学技術は、(中略)我が国の存立基盤を確固たるものとするものである。(中略)国民に科学への啓発をもたらす等の更なる大きな価値を生みだす国家戦略上重要な科学技術」としており、長期的視野に立って継続して強化していく必要があると位置付けられている
平成28年8月に策定された「防衛技術戦略」においては、「防衛と民生の双方の技術連携を促進するため産学官の力を結集し、(中略)民生分野への防衛技術の展開(スピンオフ)を図り、我が国の技術力を進展させることが重要」としており、前掲の安全保障技術研究推進制度については、「本制度では、研究成果の最大活用の観点から、得られた研究成果が広く民生分野で活用されることを期待している。また、ファンディング制度が対象としている基礎研究分野では、研究者同士の開かれた議論によってより優れた研究成果(オープン・イノベーション)が期待できることから、研究成果は公開する。」としている。
本講演では、日本学術会議「安全保障と学術に関する検討委員会」における検討状況や、関係各方面での議論も踏まえ、「海洋分野における研究協力に関する協定」に基づく防衛装備庁との共同研究等の状況、安全保障技術研究推進制度に基づく受託研究の取組みの現状について紹介するとともに、JAMSTECの今後の展望等についても触れる。