層間カチオンを交換した2:1型層状粘土鉱物に特性の異なる複数の錯体を共担持した不均一系触媒を調製し、エチレンのスラリー重合を行った。単一触媒で、低分子量および高分子量ポリエチレンがミクロレベルで混合された分子量分布の広い成型加工性に優れたポリエチレンブレンドを合成した。さらに、1-ヘキセンを用いたエチレン/1-ヘキセン共重合により、ポリマー中への選択的な分岐の導入を試みた。

MgOナノ粒子をTiCl₄で処理することで得られる触媒は成型加工に優れた超高分子量ポリエチレンを与えるが、微粒子であるが故に取扱いが難しい。本研究ではMgOナノ粒子をあらかじめスプレードライによって球状に成型することで、前述の触媒の利点を保ったまま取扱いに優れた二次凝集触媒を得た。球状のZiegler-Natta触媒においてこのようなボトムアップ式の調製は初めての例である。

Polypropylene (PP), as one of the most representable commodity plastics, has been widely employed with a range of nanofillers to endow new functionalities. The main challenge in creating PP-based nanocomposites is to overcome the chemical inertness of PP, which leads to poor compatibility and weak interfacial bonding with the inorganic filler surfaces. Our group have reported the preparation of PP-OTMS, which is PP-based copolymer incorporating (7-octen-1-yl)trimethoxysilane (OTMS) as a comonomer with an amount of less than one comonomer unit per polymer chain using a Ziegler-Natta catalyst. To further improve the mechanical properties, trichlorosilanes with different alkyl chain lengths were exploited at different amounts for surface modification of SiO₂ prior to melt mixing with PP-OTMS as a matrix.

最近、当研究室では、フェノキシ配位ハーフチタノセン触媒によるエチレンと水酸基を有するα－オレフィンとの共重合を報告している。この共重合における活性やモノマーの相対反応性は、使用するモノマーの水酸基とオレフィンとの間のメチレン鎖の影響を受けるはずである。本発表では、メチレン鎖長の異なる水酸基含有の各種α－オレフィン（3－ブテン－1－オールや5－ヘキセン－１－オールなど）とエチレンとの共重合を検討したので、その結果を紹介する。この共重合では､いずれのモノマーでも比較的効率よく水酸基の導入が可能になった。発表ではその詳細を報告する。