公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

講演情報

臨床リレーセッション

現地発表+ライブ配信(オンデマンド配信あり)

臨床リレーセッション1
CAD/CAM技術の台頭で部分床義歯製作はどのように変わったのか?

2024年7月6日(土) 09:00 〜 10:30 第2会場 (幕張メッセ国際会議場 2F 国際会議室)

座長:山下 秀一郎(東歯大)、小林 琢也(岩手医大)

共催:(特非)日本顎咬合学会
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[CLS1-2] 積層造形技術を用いた部分床義歯─エビデンスと臨床─

*髙市 敦士1 (1. 東京医科歯科大学生体補綴歯科学分野)

[Abstract]
 近年,歯科補綴治療のさまざまな場面でデジタル技術の適用が急速に進展し,部分床義歯製作においても印象採得,咬合採得,設計,フレームワーク,人工歯排列,義歯床製作の一連の過程においデジタル技術が応用されている.フレームワーク製作に焦点を当てると,CADソフト上で製作したデジタルデータを基に切削加工もしくは積層造形で製作する方法が用いられているが,複雑な形状の造形を得意とする積層造形の方が親和性は高い.積層造形技術を用いたフレームワーク製作では,ワックスや樹脂製の鋳造パターンを積層造形技術を用いて製作した後に従来の鋳造法で製作する方法や,高出力のレーザーを金属粉末に照射し,溶融凝固させた薄い層を積み重ねることで3次元形状を造形する粉末床溶融結合法を用いて製作する方法がある.
 粉末床溶融結合法で製作したフレームワークは造形過程の急激な温度勾配に起因した残留応力が蓄積するため造形後に熱処理を行い,残留応力の緩和や金属組織の改変を行うことが必要となるが,その際の熱処理条件によって機械的性質は大きく影響を受ける.また造形方向の違いにより表面性状や理工学的性質も影響を受けることを理解しておく必要がある.本講演では積層造形技術を用いて製作した部分床義歯メタルフレームワークに関する理工学的性質や臨床エビデンスを整理するとともに臨床例を報告する.

トピックス
●積層造形
●粉末床溶融結合法
●有床義歯治療