接着ブリッジの診療ガイドライン追補版について

[CPGCS-Chair] [座長抄録] 接着ブリッジの診療ガイドライン追補版について

水口 一¹、松香 芳三² (1. 岡山大、2. 徳島大)

[Abstract]
　診療ガイドラインは，医療利用者と提供者の意思決定を支援するために，エビデンスを公平に抽出，評価し，益と害のバランスを勘案して，最適と考えられる推奨を提示するものである．また，臨床指針はエビデンスが確立していないものの，現時点での最適と考えられる推奨を示す文書である．日常における診療方針の決定には診療ガイドラインや指針を参考にする必要がある．
　このたび日本補綴歯科学会は，2017年に策定された「接着ブリッジのガイドライン」の追補版として，保険診療に収載される予定である片側性カンチレバー装置に着目し，「接着ブリッジのガイドライン　追補版」を新たに公開した．この片側性カンチレバー装置は，従来の両側性の支台歯を有するブリッジ形態と比較して，歯質の削除や医療資源の軽減を図ることができる．そこで本セミナーでは，補綴専門医として知っておきたい片側性カンチレバー装置に関する情報を皆様と共有したい．
　新谷先生には，歯科理工学的研究からみた接着ブリッジの良いところ／悪いところについて解説していただき，三浦先生には接着カンチレバーブリッジの臨床成績についてシステマティックレビューから得られたエビデンスをもとにお話しいただく予定である．水口先生には，このエビデンスに基づいた「接着ブリッジ　追補版」の概要ならびに推奨文について解説いただき，会員の先生方と情報共有の一助としていただく．本セミナーが会員の皆様の明日の診療・研究の参考になることを大いに期待している．

トピックス
●接着ブリッジ
●診療ガイドライン
●カンチレバー型装置