公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

講演情報

臨床スキルアップセミナー

現地発表

臨床スキルアップセミナー1
補綴歯科専門医のために

2024年7月7日(日) 09:00 〜 10:15 第3会場 (幕張メッセ国際会議場 2F 201)

座長:小川 匠(鶴見大)、武部 純(愛院大)

[CSS1-1] Up-to-dateジルコニア補綴治療

*小峰 太1 (1. 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座)

[Abstract]
 歯科用セラミック材料のみを用いたセラミックレストレーションは,優れた審美性および生体親和性などを理由として,メタルセラミックレストレーションに代わる補綴装置となりつつある.その背景として,接着技術の向上も考えられる.セラミックレストレーションに使用される材料も多種多様であり,その中の一つである,酸化ジルコニウム(ジルコニア)は,日本国内おいては臨床応用され約20年が経過している.
 ジルコニアは,歯科用セラミック材料の中では,最も高い機械的強度を有し,かつ審美性および生体親和性に優れた材料である.ジルコニアの適応範囲は広く,クラウン,ブリッジ,インプラントアバットメントなどに使用され,また前歯部,臼歯部などの部位を問わず使用可能な材料である.ジルコニア補綴装置の構造には,陶材前装ジルコニア補綴装置とモノリシックジルコニア補綴装置がある.近年では,従来の3Y-TZP(3 mol% yttria-stabilized tetragonal zirconia polycrystal)よりも光透過性が高い,高透光性ジルコニア(4Y-あるいは5Y-PSZ;4 mol% or 5 mol% yttria partially stabilized zirconia)が臨床応用され,モノリシックジルコニア補綴装置が小臼歯部,前歯部に応用可能である.
 一般社団法人日本歯科専門医機構から認定される補綴歯科専門医は,国民から信頼され,十分な知識と経験を備えた専門の補綴歯科治療を提供することが求められている.そこで,本セミナーでは,ジルコニアを用いた補綴治療の現状と今後の展開等について整理し,ジルコニア補綴治療から見た補綴専門性について考えてみたい.

トピックス
●ジルコニア
●接着
●補綴歯科専門医