公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

講演情報

イブニングセッション

現地発表

イブニングセッション3
補綴歯科医が考えるPostコロナ時代のフレイル予防戦略-栄養,精神心理,社会的要因から-

2024年7月6日(土) 18:00 〜 19:00 第4会場② (幕張メッセ国際会議場 3F 301-2 )

コーディネーター:後藤 崇晴(徳島大)

[ES3-Chair] [座長抄録] 補綴歯科医が考えるPostコロナ時代のフレイル予防戦略-栄養,精神心理,社会的要因から-

後藤 崇晴1 (1. 徳島大)

[Abstract]
 「フレイル」は,身体的フレイル,精神心理的フレイル,社会的フレイルと三つのカテゴリに分けて表現されるが,これらのフレイルカテゴリに対して口腔機能が与える影響に関しては,包括的に十分に議論されてきていなかった.一方,2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)は,世界的にも大きな問題となった.日本においてCOVID-19は令和5年5月8日から「5類感染症」になり,コロナ禍は完全には終息していないものの,マスク着用の実質的緩和を含めた社会生活における制限が段階的に緩和され,社会は日常を取り戻しつつある.しかしその間,人々の日常生活は大きく変化した.とくに高齢者の場合,COVID-19が重症化しやすく,外出制限による身体活動の低下のみならず,他者と交流する機会や社会参加の機会の減少,ストレスによる抑うつ者の増加が問題視された.ある意味COVID-19前と比較して,社会の構造,生活環境も大きく変化したと考えられ,このPostコロナ時代におけるフレイル,そしてそのフレイルに口腔機能が与える影響を包括的に再考することは極めて重要な課題であり,とくに老化に伴うさまざまな問題は,多くの因子が複雑に絡み合って生じているため,幅広い観点からの議論が必要である.
 本セッションでは,栄養,精神心理,社会的要因の三つの観点からフレイルと口腔機能の関係を再考し,口腔機能のスペシャリストである補綴歯科医だからこそ考え得るPostコロナ時代のフレイル予防戦略を提案する.

トピックス
●栄養
●抑うつ
●社会的要因