公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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ランチョンセミナー1
超高齢社会における義歯安定剤の新たな役割

2024年7月6日(土) 12:20 〜 13:00 第1会場 (幕張メッセ国際会議場 2F コンベンションホール A)

座長:村田 比呂司(長崎大)

協賛:グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社
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[LS1] 超高齢社会における義歯安定剤の新たな役割

*木本 克彦1 (1. 神奈川歯科大学 歯科補綴学講座 クラウンブリッジ補綴学分野)

[Abstract]
 超高齢社会の我が国において,認知症患者は700万に達すると推測されており,社会的に大きな問題となっています.最近,認知症に対する本質的な疾患修飾薬である「レカネマブ」が話題になっていますが,診療できる医療機関や対象となる症例は限定的であるため,臨床現場では,認知症患者に対する危険因子を集学的に介入する先制的予防介入が現実的な選択肢となっています.口腔領域では,残存歯数・咀嚼機能・咬合力が認知機能の低下と関連することが動物実験や疫学調査により数多く報告されているため,認知症患者に対して義歯による機能改善に期待が寄せられています.日常臨床において義歯床粘膜面の不適合により維持安定が不良な症例には,リラインや新義歯製作により対応をしますが,認知症患者の中にはそれら治療を受け入れられない者や,新義歯やリライン後の義歯に適応できず,義歯の使用が途絶える者も少なくありません.そのため,「認知症患者の義歯診療ガイドライン2018」(日本老年歯科医学会)では,日常的な口腔と義歯の衛生管理が可能であることを条件に,代替手段として義歯安定剤の使用もその一つとして挙げられています.また,日本補綴歯科学会のガイドラインでも,超高齢社会の現在では,歯科医師の管理のもと短期間であればその適応を考えるべきとしています.
 このような背景から,本講演では,認知症患者も含めた高齢患者に対する義歯安定剤の正しい使用法とその効果について,最新のエビデンスを交えながら解説します.

トピックス
●超高齢社会
●認知症
●義歯安定剤