公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

講演情報

メインシンポジウム

現地発表+ライブ配信(オンデマンド配信あり)

日本栄養治療学会 合同シンポジウム
補綴歯科治療と栄養治療の新たな連携戦略

2024年7月6日(土) 15:00 〜 16:50 第1会場 (幕張メッセ国際会議場 2F コンベンションホール A)

座長:古屋 純一(昭和大)、石井 良昌(座間総合病院)

共催:(一社)日本栄養治療学会/(公社)日本歯科衛生士会
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[MSY-1] 補綴歯科医療が栄養と出会うとき

*窪木 拓男1 (1. 日本補綴歯科学会、2. 岡山大学インプラント再生補綴学分野)

[Abstract]
 我々は日々補綴歯科治療を行っている.では,この補綴歯科治療は何のために行っているかと聞かれると,案外簡単に答えるのは難しい.補綴歯科治療は,失われた歯や歯周組織,顎骨を補い,口腔機能のリハビリテーションによって,患者のQOLを向上させるとともに,口腔機能を回復することによって,患者の食(栄養)を支援することが目的である.最近では,口腔機能を回復することが,毎食後に内服する薬のように,全身健康に影響が及ぶことが知られるようになり,介護予防,フレイル予防,認知機能低下予防に及ぼす影響が認識されるようになった.また,この様な効果は,栄養摂取の向上により摂食・嚥下機能や免疫機能の回復にも影響があり,誤嚥性肺炎の予防や生命予後にも良い影響があることが知られるようになった.
 この様な我々の行う口腔栄養関連サービスが栄養摂取状況の改善を介して,さまざまな良い影響を及ぼすことが明らかになると,我々補綴歯科専門医が活躍する場所は大きく広がることになった.超急性期病院やがん医療における周術期管理や感染管理,回復期や維持期病院,介護施設や在宅・介護現場における摂食・嚥下リハビリテーション,口腔栄養関連サービスは,我々補綴歯科専門医が社会に貢献するあり方を大きく変えつつある.
 本講演では,この様な補綴歯科専門医が関わるべき医療現場の状況を概説するとともに,これらの現場に関わるべき人材を輩出するための多職種連携教育にも言及してみたい.本連携シンポジウムは,日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)の多大なるご支援により実現したこと,厚く御礼を申し上げたい.

トピックス
●補綴歯科医療
●栄養管理
●口腔栄養関連サービス