[O1-1] Digitalization of removable partial dentures -Consideration of bonding method between metal framework and denture base-
[Abstract]
【目的】
CAD/CAM技術を用いた部分床義歯製作の工程において,メタルフレームワークと義歯床を一体化させる工程では,従来通り埋没,塡入を行う方法や接着性レジンを用いる方法など様々な手法が試行されている.本研究では,異なる接着方法が粉末床溶融結合法を用いて製作したCoCr合金およびTi合金と義歯床用レジンの接着強さに及ぼす影響を検討した.
【方法】
粉末床溶融結合法を用いてCoCr合金製(SP2, EOS)とTi合金製(Ti64, EOS)の金属試料(直径10mm高さ2mm)を製作した.金属試料は#600耐水研磨紙にて研磨後,0.4MPaで15秒間アルミナブラスト処理,プライマー塗布(アロイプライマー, クラレノリタケデンタル)を行った後に,レジン試料(直径6mm高さ6mm)と接着させた.レジン試料は,加熱重合レジン(アクロン,GC)を用いて埋没,塡入,重合させた群(AC群),または接着性レジン(スーパーボンド,サンメディカル)を用いて接着させた群(SB群)と流し込みレジン(プロキャストDSP,GC)を用いて接着させた群(DSP群)の3条件で製作した.試料製作後37℃水中に24時間保管し,試料の半分(各群n=10)はサーマルサイクル(5℃/55℃, 10,000回)を行いせん断試験に供した.破面観察をCCD顕微鏡(VH-Z100R,Keyence)にて行い破壊様相の同定を行った.統計解析は,Kruskal-Wallis検定を用いて行い,有意水準は0.05とした.
【結果と考察】
サーマルサイクル前ではCoCr合金,Ti合金ともにAC群と比較しSB群で有意に低い接着強さを示した.破断様相はCoCr合金ではAC群で混合破壊が多く,SB群とDSP群では混合破壊と界面破壊が同程度であった.Ti合金ではDSP群はすべて混合破壊,AC群では混合破壊が多く,SB群では混合破壊と界面破壊が同程度であった.サーマルサイクル後は接着強さが大きく低下した.以上より接着強さの観点からは粉末床溶融結合法を用いて製作したメタルフレームワークと義歯床レジンとの一体化には加熱重合レジンを用いた従来法が有望であることが示唆された.
【目的】
CAD/CAM技術を用いた部分床義歯製作の工程において,メタルフレームワークと義歯床を一体化させる工程では,従来通り埋没,塡入を行う方法や接着性レジンを用いる方法など様々な手法が試行されている.本研究では,異なる接着方法が粉末床溶融結合法を用いて製作したCoCr合金およびTi合金と義歯床用レジンの接着強さに及ぼす影響を検討した.
【方法】
粉末床溶融結合法を用いてCoCr合金製(SP2, EOS)とTi合金製(Ti64, EOS)の金属試料(直径10mm高さ2mm)を製作した.金属試料は#600耐水研磨紙にて研磨後,0.4MPaで15秒間アルミナブラスト処理,プライマー塗布(アロイプライマー, クラレノリタケデンタル)を行った後に,レジン試料(直径6mm高さ6mm)と接着させた.レジン試料は,加熱重合レジン(アクロン,GC)を用いて埋没,塡入,重合させた群(AC群),または接着性レジン(スーパーボンド,サンメディカル)を用いて接着させた群(SB群)と流し込みレジン(プロキャストDSP,GC)を用いて接着させた群(DSP群)の3条件で製作した.試料製作後37℃水中に24時間保管し,試料の半分(各群n=10)はサーマルサイクル(5℃/55℃, 10,000回)を行いせん断試験に供した.破面観察をCCD顕微鏡(VH-Z100R,Keyence)にて行い破壊様相の同定を行った.統計解析は,Kruskal-Wallis検定を用いて行い,有意水準は0.05とした.
【結果と考察】
サーマルサイクル前ではCoCr合金,Ti合金ともにAC群と比較しSB群で有意に低い接着強さを示した.破断様相はCoCr合金ではAC群で混合破壊が多く,SB群とDSP群では混合破壊と界面破壊が同程度であった.Ti合金ではDSP群はすべて混合破壊,AC群では混合破壊が多く,SB群では混合破壊と界面破壊が同程度であった.サーマルサイクル後は接着強さが大きく低下した.以上より接着強さの観点からは粉末床溶融結合法を用いて製作したメタルフレームワークと義歯床レジンとの一体化には加熱重合レジンを用いた従来法が有望であることが示唆された.