[O1-2] Trueness of 3D printed complete dentures in different morphologies of mandibular ridge
[Abstract]
【目的】
可撤性全部床義歯の製作は，デジタル技術の発展によって切削加工や積層造形による製作も可能となった．これらの手法で製作された義歯は，従来法での義歯と同等の適合性があるとされ，臨床の場でも応用されている．しかし顎堤の吸収が進行するとそれに伴い義歯の安定性及び患者満足度は低下するといわれている．本研究では，Computer Aided Design（CAD）ソフトウェアで異なる3種類の顎堤のデータを作成した．歯科用CADソフトウェアにおいてそれぞれの模型データに適合する義歯の設計を行い，光造形法によって製作した義歯の真度について報告する．
【方法】
汎用CADソフトウェア上で，顎堤吸収の異なる3種類の下顎無歯顎模型（中等度に吸収した顎堤；MR，骨幅が減少し狭窄した顎堤：HSR，高度に吸収し平坦化した顎堤：VSR）を設計した．作成したデータをStandard Triangulated Language（STL）形式でエクスポートし，Digital Light Processing（DLP）方式3Dプリンターにインポートし，義歯床用光硬化性樹脂を使用し造形を行なった．造形した義歯床は5分間アルコール洗浄後に，光照射器にて最終硬化を行ない完成した．完成した義歯を非接触式3次元測定機によって1回転360°を19分割して測定を行なった．測定データはSTL形式でエクスポートした．CADデータを基準として検査用ソフトウェア上で測定データと重ね合わせた．CADデータを，顎堤部（AR），義歯床縁部（DB），レトロモラーパッド部（RP）の各部位に分割して，それぞれの部位ごとに階調検査を行なった．統計解析はShapiro-Wilk検定後に，Kruskal-Wallis検定，Dunnの検定を行った．
【結果と考察】
ARでは，MRとHSR間（p = 0.0211），HSRとVSR間（ p= 0.0028）に有意差を認めた．DBでは，MRとHSR（p = 0.0073），HSRとVSR間（p = 0.0091）に有意差を認めた．RPでは，MRとHSR間（p = 0.0233），MRとVSR間（p = 0.0010）に有意差を認めた．光造形法によって製作した義歯は，全体的にはある程度臨床で許容可能な真度が認められた．しかし部位によっては真度が低下すること，また顎堤の形状によって影響を受けることが示唆された．
【目的】
可撤性全部床義歯の製作は，デジタル技術の発展によって切削加工や積層造形による製作も可能となった．これらの手法で製作された義歯は，従来法での義歯と同等の適合性があるとされ，臨床の場でも応用されている．しかし顎堤の吸収が進行するとそれに伴い義歯の安定性及び患者満足度は低下するといわれている．本研究では，Computer Aided Design（CAD）ソフトウェアで異なる3種類の顎堤のデータを作成した．歯科用CADソフトウェアにおいてそれぞれの模型データに適合する義歯の設計を行い，光造形法によって製作した義歯の真度について報告する．
【方法】
汎用CADソフトウェア上で，顎堤吸収の異なる3種類の下顎無歯顎模型（中等度に吸収した顎堤；MR，骨幅が減少し狭窄した顎堤：HSR，高度に吸収し平坦化した顎堤：VSR）を設計した．作成したデータをStandard Triangulated Language（STL）形式でエクスポートし，Digital Light Processing（DLP）方式3Dプリンターにインポートし，義歯床用光硬化性樹脂を使用し造形を行なった．造形した義歯床は5分間アルコール洗浄後に，光照射器にて最終硬化を行ない完成した．完成した義歯を非接触式3次元測定機によって1回転360°を19分割して測定を行なった．測定データはSTL形式でエクスポートした．CADデータを基準として検査用ソフトウェア上で測定データと重ね合わせた．CADデータを，顎堤部（AR），義歯床縁部（DB），レトロモラーパッド部（RP）の各部位に分割して，それぞれの部位ごとに階調検査を行なった．統計解析はShapiro-Wilk検定後に，Kruskal-Wallis検定，Dunnの検定を行った．
【結果と考察】
ARでは，MRとHSR間（p = 0.0211），HSRとVSR間（ p= 0.0028）に有意差を認めた．DBでは，MRとHSR（p = 0.0073），HSRとVSR間（p = 0.0091）に有意差を認めた．RPでは，MRとHSR間（p = 0.0233），MRとVSR間（p = 0.0010）に有意差を認めた．光造形法によって製作した義歯は，全体的にはある程度臨床で許容可能な真度が認められた．しかし部位によっては真度が低下すること，また顎堤の形状によって影響を受けることが示唆された．