[O1-3] 光造形により製作した顎義歯栓塞子の厚みの違いによる真度
[Abstract]
【目的】
近年では,これまで顎顔面補綴において,術者に委ねられてきた臨床手技が,光造形技術の発展に伴いデジタル化しつつある.今回,光造形法により製作した上顎の顎義歯について,栓塞子の厚みを変えた際の真度について比較,検討を行ったため報告する.
【方法】
実験用のデータは汎用Computer Aided Design(CAD)ソフトウェア上で無歯顎モデルとそのモデルにAramany分類ClassⅠ欠損を付与した欠損モデルを作成した.作成データをStandard Triangulated Language(STL)形式にて抽出し,技工用CADソフトウェアにて義歯床を設計した.設計データをSTL形式にて抽出し,顎欠損モデルデータと汎用CADソフトウェアに取り込み,栓塞子を組み込み顎義歯の設計を行った.栓塞子は,天蓋開放型各々1,2,3,4,5 mmの厚みを付与した.設計後の義歯床はSTL形式にて抽出した.Digital Light Processing(DLP)方式3Dプリンターにて義歯床用光造形樹脂を使用して0°の造形角度にて造形を行った後,5分間アルコール洗浄を行い,光重合器にて最終硬化を行った.実験用義歯床は各5個ずつ合計25個製作した.製作された義歯は栓塞子の厚みによって,AR-1(1 mm),AR-2(2 mm),AR-3(3 mm),AR-4(4 mm),AR-5(5 mm)とした.実験用義歯床を歯科用Cone-beam Computed Tomography(CBCT)により撮影を行い,Digital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)形式で抽出した.DICOMを画像処理ソフトウェアに取りこみ,STLに変換した.計測用CADソフトウェア上で設計データと測定データの重ね合わせを行い,測定結果について分散分析後にてBonferroni補正による統計解析を行った.
【結果と考察】
造形後のスキャンデータの重ね合わせから,ほとんど同様の誤差であったものの,一部真度の低下を認めた.真度の誤差が大きな部位は,上顎結節部および前歯部の顎欠損移行部,栓塞子部であった.今回の実験の結果より,光造形法により顎義歯を製作する際,ある一定の厚みが必要であることが示唆された.
【目的】
近年では,これまで顎顔面補綴において,術者に委ねられてきた臨床手技が,光造形技術の発展に伴いデジタル化しつつある.今回,光造形法により製作した上顎の顎義歯について,栓塞子の厚みを変えた際の真度について比較,検討を行ったため報告する.
【方法】
実験用のデータは汎用Computer Aided Design(CAD)ソフトウェア上で無歯顎モデルとそのモデルにAramany分類ClassⅠ欠損を付与した欠損モデルを作成した.作成データをStandard Triangulated Language(STL)形式にて抽出し,技工用CADソフトウェアにて義歯床を設計した.設計データをSTL形式にて抽出し,顎欠損モデルデータと汎用CADソフトウェアに取り込み,栓塞子を組み込み顎義歯の設計を行った.栓塞子は,天蓋開放型各々1,2,3,4,5 mmの厚みを付与した.設計後の義歯床はSTL形式にて抽出した.Digital Light Processing(DLP)方式3Dプリンターにて義歯床用光造形樹脂を使用して0°の造形角度にて造形を行った後,5分間アルコール洗浄を行い,光重合器にて最終硬化を行った.実験用義歯床は各5個ずつ合計25個製作した.製作された義歯は栓塞子の厚みによって,AR-1(1 mm),AR-2(2 mm),AR-3(3 mm),AR-4(4 mm),AR-5(5 mm)とした.実験用義歯床を歯科用Cone-beam Computed Tomography(CBCT)により撮影を行い,Digital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)形式で抽出した.DICOMを画像処理ソフトウェアに取りこみ,STLに変換した.計測用CADソフトウェア上で設計データと測定データの重ね合わせを行い,測定結果について分散分析後にてBonferroni補正による統計解析を行った.
【結果と考察】
造形後のスキャンデータの重ね合わせから,ほとんど同様の誤差であったものの,一部真度の低下を認めた.真度の誤差が大きな部位は,上顎結節部および前歯部の顎欠損移行部,栓塞子部であった.今回の実験の結果より,光造形法により顎義歯を製作する際,ある一定の厚みが必要であることが示唆された.