The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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Oral Presentation

On-site

Oral Presentation 6
Implantology

Sat. Jul 6, 2024 3:50 PM - 4:20 PM Room 3 (Makuhari Messe International Conference Hall 2F 201)

Chair: Hiroshi Murakami (Nihon University School of Dentistry at Matsudo)

[O1-18] Association between peri-implant bone resorption and prosthodontic factors: A multi-center longitudinal study

*Daisuke Hasegawa1, Tomoaki Mameno1, Masahiro Wada1, Ikuhisa Okuno1, Kazunori Ikebe1 (1. Department of Removable Prosthodontics and Gerodontology, Graduate School of Dentistry, Osaka University)

[Abstract]
【目的】
 インプラント体に周囲支持骨の吸収(周囲骨吸収)が生じる場合がある.これまで,喫煙,糖尿病,歯周病および口腔衛生不良が,周囲骨吸収と強く関連していることが示されている.補綴学的因子との関連も検討されているが,長期的に観察し,かつ交絡因子を考慮しているものは少ない.本研究は,交絡因子を調整し,周囲骨吸収と関連する補綴学的因子について検討することを目的とし,後向き縦断調査を行った.
【方法】
 本学歯学部附属病院咀嚼補綴科ならびに6つの歯科医院にて,固定性インプラント補綴治療を受けた患者のうち,本研究に同意し,継続的にメインテナンスを受診している者を対象とした.上部構造装着後1年経過時のベースラインと,フォローアップ時のエックス線写真を用いて周囲骨吸収量を測定した(図).
 補綴関連項目として,上部構造の固定様式(スクリュー/セメント),接合様式(インターナル/エクスターナル),連結の有無およびエマ―ジェンスプロファイル(EP)を調べた.EPは過去の報告に基づき,エックス線写真を用いて角度(30°未満/以上)およびカントゥア(コンベックス型/コンベックス型以外)を測定した.
 統計学的分析には,施設内,患者内の相関を調整するため,混合効果モデルを用いた.周囲骨吸収量を目的変数,補綴関連項目を説明変数とした.年齢,性別,観察期間,喫煙,糖尿病,歯周病,口腔清掃状態,上下顎の埋入位置,咬合支持数および角化粘膜幅を調整変数とし,多変量解析を行った.有意水準は0.05とした.
【結果と考察】
 本研究では,183名(男性61名,女性122名,平均年齢68.9歳),547本のインプラント体を分析対象とした.観察期間と周囲骨吸収量の中央値,四分位範囲はそれぞれ,11.5(10.2-13.5)年,0.38(0.11-0.99)mmであった.
 補綴関連項目のうち,セメント固定式上部構造およびコンベックス型のカントゥアと,周囲骨吸収量との間に有意な関連を認めた(表).
 セメント固定式上部構造は,余剰セメントの残留により,周囲組織の炎症を引き起こす可能性がある.また,コンベックス型のカントゥアは,上部構造周囲の清掃性を低下させる因子と考えられる.
 本多施設共同縦断研究により,交絡因子を調整したうえで,上部構造の固定様式,EPのカントゥアが,周囲骨吸収と関連していることが示された.