[P-114] Associations of number of remaining teeth and oral functions with oral frailty: From 20-year longitudinal study in the Senior Citizens’ College of Osaka
[Abstract]
【目的】
オーラルフレイル(OF)は,低栄養やサルコペニアと関連しており,OFを引き起こす因子の探索は,早期介入を行う上で重要である.そのような因子の探索には長期縦断研究が必要であるが,ほとんど行われていない.そこで本研究では,地域在住高齢者を対象に,平均18.3年(16-21年)間の縦断研究を行い,残存歯数や口腔機能と将来的なOFの関連を検討した.
【方法】
2002~2007年に,研究内容に同意の得られた大阪府老人大学講座の受講生2005名を対象にベースライン(BL)調査を行った.2023年にフォローアップ(FU)調査を行い,郵送調査参加者322名(男性156名,女性166名,平均年齢82.6歳)と,その内,現地調査にも参加した130名(男性59名,女性71名,平均年齢83.2歳)をそれぞれ分析対象とした.BL時には,残存歯数の記録,デンタルプレスケール(ジーシー社,東京,日本)を用いた咬合力検査,咀嚼能力測定用グミゼリーを用いた咀嚼能率検査,パラフィンワックス(Ivoclar Vivadent社,Schaan,Liechtenstein)を用いた刺激時唾液分泌量(SSFR)検査を行った.FU時には,Oral Frailty Index-8(OFI-8)を調査し,OFI-8スコア ≧ 4をOFと定義した.さらに,現地調査参加者に対して口腔機能低下症(OHF)の判定に用いられる7項目の口腔機能検査を行った.
FU時のOHFおよびOFとBL時の残存歯数,咬合力(単位:100N),咀嚼能率(単位:100mg/dL),SSFR(単位:mL/min)との関連を検討するためにロジスティック回帰分析を行った.統計学的有意水準は5%とした.
【結果と考察】
FU時のOHFの有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行ったところ,BL時の咬合力(オッズ比0.703,p < 0.01),咀嚼能率(オッズ比0.502,p = 0.03)と有意な関連を示したが,歯数,SSFRとは有意な関連がみられなかった.さらに,FU時のOFの有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行ったところ,BL時の歯数(オッズ比0.879,p < 0.01)と有意な関連を示した.
本研究より,咬合力,咀嚼能率が20年後のOHFの有無と関連し,残存歯数が20年後のOFと関連していることが示唆された.
【目的】
オーラルフレイル(OF)は,低栄養やサルコペニアと関連しており,OFを引き起こす因子の探索は,早期介入を行う上で重要である.そのような因子の探索には長期縦断研究が必要であるが,ほとんど行われていない.そこで本研究では,地域在住高齢者を対象に,平均18.3年(16-21年)間の縦断研究を行い,残存歯数や口腔機能と将来的なOFの関連を検討した.
【方法】
2002~2007年に,研究内容に同意の得られた大阪府老人大学講座の受講生2005名を対象にベースライン(BL)調査を行った.2023年にフォローアップ(FU)調査を行い,郵送調査参加者322名(男性156名,女性166名,平均年齢82.6歳)と,その内,現地調査にも参加した130名(男性59名,女性71名,平均年齢83.2歳)をそれぞれ分析対象とした.BL時には,残存歯数の記録,デンタルプレスケール(ジーシー社,東京,日本)を用いた咬合力検査,咀嚼能力測定用グミゼリーを用いた咀嚼能率検査,パラフィンワックス(Ivoclar Vivadent社,Schaan,Liechtenstein)を用いた刺激時唾液分泌量(SSFR)検査を行った.FU時には,Oral Frailty Index-8(OFI-8)を調査し,OFI-8スコア ≧ 4をOFと定義した.さらに,現地調査参加者に対して口腔機能低下症(OHF)の判定に用いられる7項目の口腔機能検査を行った.
FU時のOHFおよびOFとBL時の残存歯数,咬合力(単位:100N),咀嚼能率(単位:100mg/dL),SSFR(単位:mL/min)との関連を検討するためにロジスティック回帰分析を行った.統計学的有意水準は5%とした.
【結果と考察】
FU時のOHFの有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行ったところ,BL時の咬合力(オッズ比0.703,p < 0.01),咀嚼能率(オッズ比0.502,p = 0.03)と有意な関連を示したが,歯数,SSFRとは有意な関連がみられなかった.さらに,FU時のOFの有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行ったところ,BL時の歯数(オッズ比0.879,p < 0.01)と有意な関連を示した.
本研究より,咬合力,咀嚼能率が20年後のOHFの有無と関連し,残存歯数が20年後のOFと関連していることが示唆された.