[P-65] CAD/CAMレジンブロックに対する接着強さに及ぼす表面処理の影響
[Abstract]
【目的】
演者らは，CAD/CAMレジン冠に対する繰り返し衝撃荷重に対する破折抵抗性1），および接着強さ2）におけるMMA-TBBO系レジンセメントの優位性を報告してきた．本研究では両者の接着強さにおよぼす表面処理の影響について検討を行った．
【方法】
CAD/CAMレジンブロック（カタナアベンシアPブロック，クラレノリタケデンタル）を厚さ3 mmに切断した．被着面を2000番のSiCペーパーにて注水下に研磨し，表面にリン酸ゲル（Kエッチャント，クラレノリタケデンタル）を塗布し，１分後に水洗・乾燥した．この状態を未処理（CT）として，さらに以下に示す3通りの表面処理を行った．①アルミナブラスト処理（AB），②セラミックス用プライマー（PZプライマー，サンメディカル）処理（CP），③AB処理後にCP処理（AB＋CP）．表面処理後の被着体2枚をMMA-TBBO系レジンセメント（スーパーボンドC&B，サンメディカル）にて接着した．24時間後に1×1×6 mmの切片を切り出し，5 ℃と55 ℃の水中熱サイクル1万回後に，クロスヘッドスピード1.0 mm/minにて引張接着強さを測定した．測定結果（n=15）はANOVAおよびBonferroni-Dunn Testによって危険率5 %で有意差判定を行った．
【結果と考察】
測定結果を図に示す．未処理群と比較して処理群AB，CP，AB+CPはいずれも有意に高い接着強さを示した．処理群間での有意差は認めなかった．すべての群において熱サイクル前後での有意差は認めなかった．本研究結果より，MMA-TBBO系レジンはCAD/CAMレジンブロックに対して，マトリックスレジンにもある程度接着している可能性があること，アルミナブラスト処理およびセラミックス用プライマー処理によって接着強さが有意に向上すること，熱サイクル1万回で接着強さが低下しないことがが示唆された．
【参考文献】
1) 村原貞昭，上之段麻美，迫口賢二ほか．CAD/CAM ハイブリッドレジン冠の繰り返し衝撃荷重に対する破折抵抗性．接着歯学2017；35(1)：1-5.
2) 村原貞昭，上之段麻美，梶原雄太郎ほか．大臼歯用CAD/CAMレジンブロックに対するレジンセメントの接着強さ．日補綴会誌2020； 13・130 回特別号：170．
【目的】
演者らは，CAD/CAMレジン冠に対する繰り返し衝撃荷重に対する破折抵抗性1），および接着強さ2）におけるMMA-TBBO系レジンセメントの優位性を報告してきた．本研究では両者の接着強さにおよぼす表面処理の影響について検討を行った．
【方法】
CAD/CAMレジンブロック（カタナアベンシアPブロック，クラレノリタケデンタル）を厚さ3 mmに切断した．被着面を2000番のSiCペーパーにて注水下に研磨し，表面にリン酸ゲル（Kエッチャント，クラレノリタケデンタル）を塗布し，１分後に水洗・乾燥した．この状態を未処理（CT）として，さらに以下に示す3通りの表面処理を行った．①アルミナブラスト処理（AB），②セラミックス用プライマー（PZプライマー，サンメディカル）処理（CP），③AB処理後にCP処理（AB＋CP）．表面処理後の被着体2枚をMMA-TBBO系レジンセメント（スーパーボンドC&B，サンメディカル）にて接着した．24時間後に1×1×6 mmの切片を切り出し，5 ℃と55 ℃の水中熱サイクル1万回後に，クロスヘッドスピード1.0 mm/minにて引張接着強さを測定した．測定結果（n=15）はANOVAおよびBonferroni-Dunn Testによって危険率5 %で有意差判定を行った．
【結果と考察】
測定結果を図に示す．未処理群と比較して処理群AB，CP，AB+CPはいずれも有意に高い接着強さを示した．処理群間での有意差は認めなかった．すべての群において熱サイクル前後での有意差は認めなかった．本研究結果より，MMA-TBBO系レジンはCAD/CAMレジンブロックに対して，マトリックスレジンにもある程度接着している可能性があること，アルミナブラスト処理およびセラミックス用プライマー処理によって接着強さが有意に向上すること，熱サイクル1万回で接着強さが低下しないことがが示唆された．
【参考文献】
1) 村原貞昭，上之段麻美，迫口賢二ほか．CAD/CAM ハイブリッドレジン冠の繰り返し衝撃荷重に対する破折抵抗性．接着歯学2017；35(1)：1-5.
2) 村原貞昭，上之段麻美，梶原雄太郎ほか．大臼歯用CAD/CAMレジンブロックに対するレジンセメントの接着強さ．日補綴会誌2020； 13・130 回特別号：170．