公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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インプラント

2024年7月6日(土) 12:00 〜 13:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際会議場 2F コンベンションホール B)

[P-74] 歯科インプラント研究の動向分析 ー 内閣府エビデンスシステムの論文書誌情報をもとに ー

*河野 英子1、笛木 賢治1、七丈 直弘2,3 (1. 東京医科歯科大学、2. 政策研究大学院大学、3. 一橋大学)

[Abstract]
【目的】
 学術論文等の書誌情報(著者,所属機関,国,タイトル,アブストラクト,参考文献,雑誌名等)を計量的・統計学的に解析することにより,特定の研究開発分野の知の構造・研究動向を把握することが可能である.内閣府科学技術・イノベーション推進事務局 エビデンスグループでは,論文間の引用関係をベースにした研究動向分析・可視化ツールの開発に取り組んでいる1).本発表では,本ツールを紹介するとともに,本ツールを用いて 2013 年から 2021 年までの歯科インプラント関連研究の動向分析を行った結果を示す.
【方法】
 文献データベース Scopus(Elsevier 社)に収載されている 9 年分(2013~2021 年)の論文書誌情報(2022 年 10 月時点)を対象とした.論文の直接引用関係およびアブストラクトのテキスト類似度をもとに,K-means 法によってクラスタリングを行い,対象書誌を 1,000 のクラスターに分割した.さらに各クラスター内を同様の方法で 10 分割してサブクラスターとした.今回,歯科インプラントに関連する論文クラスター(論文数 24,544 本)に対して動向分析を行った.当クラスターのサブクラスター構成を2次元マップで可視化した.またサブクラスター毎に,論文数・国際共著論文数の時系列推移,国別の論文数推移,ジャーナル別論文掲載数,国際共著ネットワーク,引用の国際性をそれぞれ分析した.
【結果と考察】
 歯科インプラント関連論文クラスターは,「インプラント周囲骨」「デジタル印象」「臨床評価」などの 10 のサブクラスターから構成されていた.
 「インプラント周囲骨」の論文数・国際共著論文数はクラスター内で上位を維持しており,成熟した領域であることがうかがえた.国別で見ると,前半(2013~2017 年)は米国の論文数が首位であったが,後半(2018~2021年)ではイタリアの論文数が首位であった.
 「デジタル印象」の論文数・国際共著論文数はともに顕著な増加傾向を示し,今後の発展が期待された.国別では米国の論文数が前半,後半ともに首位であり,この領域で世界をリードしていることが示唆された.
【参考文献】
1) 七丈直弘,寺田好秀,加瀬豊.重点分野分析のための論文マップの作成.研究・イノベーション学会 年次学術大会講演要旨集 2023;37:188-91.