公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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2024年7月7日(日) 12:00 〜 13:00 ポスター会場 (幕張メッセ国際会議場 2F コンベンションホール B)

[P-83] スポーツマウスガード材料の硬さの違いについて
ーテクスチャー測定による評価ー

*杉浦 有佳子1、山本 寛明1、渡邊 諒1、榊原 渓1、足立 ことの1、粕谷 昂生1、岩堀 正俊1、都尾 元宣1 (1. 朝日大学歯学部口腔機能修復講座歯科補綴学分野)

[Abstract]
【目的】
 スポーツ外傷予防のためカスタムメイドマウスガード(以下,MG)の装着が義務または推奨されている.しかし,MGを所有しており,試合時に装着していても,練習中に装着しているとは限らないのが現状である.一つの理由として,MGの装着により使用者が不快感を感じることがあげられる.本研究は食品硬度に用いられるテクスチャー計測器を用いて,各種シート材のテクスチャーとゴム硬度について検討した.
【方法】
Ⅰ.材料
 材料はキャプチャーシート(株式会社松風,京都, 日本 以下,A),3Dマウスガード(山八歯材工業株式会社,蒲郡, 日本 以下,B),ドゥルフォソフトクリア(リンカイ株式会社,東京, 日本 以下,C),デントクラフトJガード(株式会社ヨシダ,東京, 日本 以下,D)の4種類のマウスガードシートを使用した.材質はエチレン―酢酸ビニル共重合体EVA,厚さ4mmのMG製作用のシート材を使用した.
Ⅱ.実験方法
 1.テクスチャーの計測テクスチャーの計測は小型卓上試験機EZ Testおよびオペレーションソフトウェア,トラペジウムX-V(株式会社島津製作所,京都)を用いた.試験種類は圧縮とし,直径30mmの圧縮試験治具を使用した.試験速度は0.5mm/minとした.試験開始より0.8mmまで負荷後,ストローク0まで戻る動きを3サイクル行い,試験力=0で停止するよう制御した.データ処理項目は圧縮試験力が最大となる点(以下,硬さ),試験力が最小となる点(以下,付着力)および弾力性の3項目とした.
 2.ゴム硬度の計測
ゴム硬度の計測はマイクロゴム硬度計MD-1(高分子計器株式会社,京都, 日本)を使用した.1つの材料につき5点計測し,中央値を採用した.
【結果と考察】
Ⅰ.テクスチャーの計測結果
 硬さの最小値はAの68.07N, 最大値はDの387.22Nを示した.付着力の最大値はAの-0.0022, 最小値はDの-0.0906を示した.弾力性の最小値はAの0.888,最大値はBの1.000を示した.
Ⅱ.ゴム硬度の計測結果
 ゴム硬度はAが91.46°, Bが93.58°,Cが94.28°,Dが95.94°を示した.
Ⅲ.考察
 MG製作用のシート材は同じ厚みでも硬さ,弾力性に差があることが示された.材質の違いはMGを装着し噛み締めた際の不快感に関連する重要な要素になると考えられる.