[P-84] Does sleep bruxism deform the occlusal appliance?
[Abstract]
【目的】
オクルーザルアプライアンス(以下OcA)は,睡眠時ブラキシズム(以下SB)による咬耗痕から,その有無や重症度との関係性が調査されている1).しかし,一般的なアクリルレジン単独のOcAの変形とSBや各咀嚼筋筋活動様式との関連は明確になっていない.
本研究は,アクリルレジン製OcA(アクロン:ジーシー)の変形とSBの筋活動様式の関連を調査することを目的とした.
【方法】
SBの診断を受けた成人被験者17名(男性9名,女性8名,30.9±7.9歳)を対象とし,図1に示すスケジュールで主咀嚼側咬筋の睡眠時歯科筋電図検査と覚醒時の咬合力検査を行った.
OcAを三次元計測し,0夜目と28夜目のOcAの三次元データをGOM Inspectにてベストフィット重ね合わせをした.OcAの変形として最大咬耗深さ,咬耗面積,咬耗体積,最大歪み量を算出した.筋電図ならびに咬合力測定結果とOcAの変形についてSpearmanの順位相関係数を用いて統計解析した.
【結果と考察】
最大咬耗深さと咬耗体積は筋電検査値と相関を認めなかった. 咬耗面積と最大咬合力は中等度の正相関(ρ=0.53)を認めた(p<0.05).最大歪み量はTonicのエピソード総数と中等度の正の相関(ρ=0.53)を,最大咬筋筋活動量と軽度の正の相関(ρ=0.49)を認めた(p<0.05).
易摩耗性OcA(ファセットレジン:ジーシー,ポリエステルシート:Scheu Dental )を用いた研究1)では,最大咬筋筋活動量と最大咬耗深さでの相関があるものの,最大歪み量と相関する筋電検査値はなかったことが報告されている.本研究結果と異なる相関関係が認められたことは,材質や設計によりSBによって現れるOcAの変形が異なると考えられる.また,本研究より筋活動様式によって異なる変形が認められたことから,一般的に用いられているアクリルレジン製OcAの変形を評価することによって,SBの程度や筋活動様相を推定できる可能性がある.
【参考文献】
1) Hirai K, Ikawa T, Ogawa T et al. Evaluation of sleep bruxism with a novel designed occlusal splint. J Prosthodontic Research. 61(3) 2017; 61(3): 333-343
【目的】
オクルーザルアプライアンス(以下OcA)は,睡眠時ブラキシズム(以下SB)による咬耗痕から,その有無や重症度との関係性が調査されている1).しかし,一般的なアクリルレジン単独のOcAの変形とSBや各咀嚼筋筋活動様式との関連は明確になっていない.
本研究は,アクリルレジン製OcA(アクロン:ジーシー)の変形とSBの筋活動様式の関連を調査することを目的とした.
【方法】
SBの診断を受けた成人被験者17名(男性9名,女性8名,30.9±7.9歳)を対象とし,図1に示すスケジュールで主咀嚼側咬筋の睡眠時歯科筋電図検査と覚醒時の咬合力検査を行った.
OcAを三次元計測し,0夜目と28夜目のOcAの三次元データをGOM Inspectにてベストフィット重ね合わせをした.OcAの変形として最大咬耗深さ,咬耗面積,咬耗体積,最大歪み量を算出した.筋電図ならびに咬合力測定結果とOcAの変形についてSpearmanの順位相関係数を用いて統計解析した.
【結果と考察】
最大咬耗深さと咬耗体積は筋電検査値と相関を認めなかった. 咬耗面積と最大咬合力は中等度の正相関(ρ=0.53)を認めた(p<0.05).最大歪み量はTonicのエピソード総数と中等度の正の相関(ρ=0.53)を,最大咬筋筋活動量と軽度の正の相関(ρ=0.49)を認めた(p<0.05).
易摩耗性OcA(ファセットレジン:ジーシー,ポリエステルシート:Scheu Dental )を用いた研究1)では,最大咬筋筋活動量と最大咬耗深さでの相関があるものの,最大歪み量と相関する筋電検査値はなかったことが報告されている.本研究結果と異なる相関関係が認められたことは,材質や設計によりSBによって現れるOcAの変形が異なると考えられる.また,本研究より筋活動様式によって異なる変形が認められたことから,一般的に用いられているアクリルレジン製OcAの変形を評価することによって,SBの程度や筋活動様相を推定できる可能性がある.
【参考文献】
1) Hirai K, Ikawa T, Ogawa T et al. Evaluation of sleep bruxism with a novel designed occlusal splint. J Prosthodontic Research. 61(3) 2017; 61(3): 333-343