The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

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Poster Presentation

On-site

Biology and Biomaterials

Sun. Jul 7, 2024 12:00 PM - 1:00 PM Poster Session Hall (Makuhari Messe International Conference Hall 2F Convention Hall B)

[P-87] Study on adhesive durability the luting agents to zirconia (Part 4)

*Saki Tsunoi1, Katsuhiko Kimoto1, Tomotaro Nihei2 (1. Department of Fixed Prosthodontics,Kanagawa Dental University, 2. Department of Clinical Biomaterials, Kanagawa Dental University)

[Abstract]
【目的】
 接着システムの発展により,補綴装置の表面処理法,使用する処理剤やセメントなどは確立しつつあるが,ジルコニアに対する内面処理については未だ確立されていないと思われる.10-Methacryloyloxydecyl dihydrogen phosphate(MDP)含有の市販プライマーでの表面処理が接着に有効であると多くの報告があり,MDP単独プライマーでのジルコニア処理の適正濃度は2~3%であると接着耐水性の効果も高かったことを報告した1).近年,接着前処理を不要としたセルフアドヒーシブレジンセメントが開発され続け,操作ステップの簡便化により使用される機会も増えてきている.
本研究は,ジルコニアに対する市販セルフアドヒーシブレジンセメントの接着性を検討した.
【方法】
 供したレジンセメントは,SAルーティングMulti(SAM:クラレノリタケデンタル),Perma Cem 2.0(PC2:DMG),ビューティリンクSA(BSA:松風),およびRely X Unicem 2 Automix (RX2:3M)の計4種類とした.被着体はジルコニアディスクを加工,焼成した後,耐水研磨紙にて研磨,洗浄を施し,試料表面に対して,サンドブラスト処理を施した.その後,各レジンセメントを接着子に貼付して,1㎏荷重で5分間接着したものを試料とした.試料は,37℃の水中に7日間保管した後,引張接着試験した.
【結果と考察】
 引張接着試験の結果より,SAMおよびPC2は他のレジンセメントと比べて有意に高い接着強さを示した(p<0.05).一方,RX2は他のレジンセメントと比較して有意に低い接着強さであった(p<0.05). 結果より,市販セルフアドヒーシブレジンセメントは,添加されている成分により接着強さに差が生じることが考えられた.特に高い接着強さを示したSAMはMDPが含有されていることから,ジルコニア表面の水酸基とMDPが水素結合されたと示唆された.また,その他のセルフアドヒーシブレジンセメントにも接着性モノマーが含有されているが,モノマーの種類により接着性が異なる可能性が示唆された.
【参考文献】
 1.角井早紀,木本克彦,二瓶智太郎ほか.ジルコニアに対するレジンセメントの接着性に関する研究-試作プライマーにおける酸性モノマーの適正濃度について―.接着歯学 2023;41(4):81-91.