公益社団法人日本補綴歯科学会第133回学術大会 / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

講演情報

シンポジウム

現地発表+ライブ配信(オンデマンド配信あり)

シンポジウム5
咀嚼・咬合によるメカノバイオロジー:咀嚼・咬合力は体にどんな変化をもたらすか?

2024年7月7日(日) 09:00 〜 10:30 第2会場 (幕張メッセ国際会議場 2F 国際会議室)

座長:江草 宏(東北大)、二川 浩樹(広島大)

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[SY5-2] メカニカルストレスが組織形成・器官発生に及ぼす効果と再生医療への応用

*大島 正充1 (1. 徳島大学大学院医歯薬学研究部顎機能咬合再建学分野)

[Abstract]
 再生医療は発生生物学や幹細胞生物学を基礎とし,組織形成や器官発生現象の理解と応用によって新たな医療技術として発展させることが期待されている.生体はさまざまな物理的刺激(メカニカルストレス)に晒されていると同時に,その力を感知し自らの増殖や分化,形態形成,機能発現に利用しており,すべての細胞・組織・器官における生命活動が物理的環境によって制御されている.
 我々はこれまでに,歯胚発生プログラムを利用した研究戦略から,歯や歯周組織の包括的な器官再生の技術開発を進めてきた.そのなかで,物理的環境を与えることにより再生歯のサイズ制御や天然歯胚の機能的分割が可能であることや,音波刺激による再生歯の歯周組織の形成・成熟が賦活化されることを明らかとしており,再生器官/再生組織の形態形成や組織成熟,機能発現の成否においては,最適な物理的刺激・環境を与えることが重要であることを示してきた.さらに,歯周組織を有するバイオインプラントの開発も進めており,抜歯窩に残存する歯根膜組織に適したメカニカルストレスを加えることにより,インプラント周囲に歯周組織が結合し,天然歯と同等の顎骨生着を示すことを実証している.
 本セッションでは,メカニカルストレスが組織形成・器官発生に与える効果と歯科再生医療への応用について呈示させていただき,メカノバイオロジーの有用性ついても理解を深めたい.

トピックス
●メカニカルストレス
●器官再生
●組織成熟