[0233] 視空間失認を有する脳卒中患者の拡散テンソル解析
Keywords:テンソル画像, TBSS, 視空間失認
【はじめに,目的】
半側空間失認はADLを阻害する大きな要因である。今回,視空間認知の検査としてSIAS(Stroke Impairment Assessment Set)の「視空間失認」項目の結果から,拡散テンソル画像の群間比較を行い,その責任病巣について検討した。
【方法】
Tract-based spatial statistics(TBSS)という手法で拡散テンソル画像の群間比較を行い,視空間失認を有する脳梗塞患者の画像統計解析を行った。対象は,発症前のmRSが0~1であり,2008年4月から2013年8月までに急性発症し,MR拡散テンソル画像(1.5Tesla6軸もしくは3Tesla15軸)を撮像した脳梗塞患者45例。発症後7日目のSIASの「視空間失認」項目が0~2点であった群(n=11,右側病変6例,左側病変5例)と3点であった群(n=34,右側病変15例,左側病変19例)に分け,左右それぞれの拡散テンソル画像を比較した。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は当院倫理委員会の承認を得て行った。対象者に説明を行い書面にて同意を得て,データについては個人を特定できないよう配慮した。
【結果】
TBSSのvoxelwise statisticsにおいて,右側病変において頭頂間溝周辺の上縦束と思われるFA骨格の一部に有意水準p<0.05でFA値の低下を示すボクセルが確認された。左側病変に関しては有意なFA値の低下は認められなかった。
【考察】
上縦束は前頭葉の各部位に視覚的空間の認知に関する情報を提示すると考えられており,それを裏付ける結果となった。
【理学療法学研究としての意義】
半側空間失認の機序についてはまだ十分に解明されていない。TBSSという新しい画像統計解析により臨床所見とMRI画像情報の関連性を調べた論文・発表もまだ少なく,今後の臨床において有意義な結果をもたらすと考えられる。
半側空間失認はADLを阻害する大きな要因である。今回,視空間認知の検査としてSIAS(Stroke Impairment Assessment Set)の「視空間失認」項目の結果から,拡散テンソル画像の群間比較を行い,その責任病巣について検討した。
【方法】
Tract-based spatial statistics(TBSS)という手法で拡散テンソル画像の群間比較を行い,視空間失認を有する脳梗塞患者の画像統計解析を行った。対象は,発症前のmRSが0~1であり,2008年4月から2013年8月までに急性発症し,MR拡散テンソル画像(1.5Tesla6軸もしくは3Tesla15軸)を撮像した脳梗塞患者45例。発症後7日目のSIASの「視空間失認」項目が0~2点であった群(n=11,右側病変6例,左側病変5例)と3点であった群(n=34,右側病変15例,左側病変19例)に分け,左右それぞれの拡散テンソル画像を比較した。
【倫理的配慮,説明と同意】
本研究は当院倫理委員会の承認を得て行った。対象者に説明を行い書面にて同意を得て,データについては個人を特定できないよう配慮した。
【結果】
TBSSのvoxelwise statisticsにおいて,右側病変において頭頂間溝周辺の上縦束と思われるFA骨格の一部に有意水準p<0.05でFA値の低下を示すボクセルが確認された。左側病変に関しては有意なFA値の低下は認められなかった。
【考察】
上縦束は前頭葉の各部位に視覚的空間の認知に関する情報を提示すると考えられており,それを裏付ける結果となった。
【理学療法学研究としての意義】
半側空間失認の機序についてはまだ十分に解明されていない。TBSSという新しい画像統計解析により臨床所見とMRI画像情報の関連性を調べた論文・発表もまだ少なく,今後の臨床において有意義な結果をもたらすと考えられる。