[1041] 日本救急医学会認定リハビリ拡大BLSコースの受講者アンケートから得た今後の課題
キーワード:リハビリテーション, BLS, シミュレーション
【はじめに,目的】
当法人では職員対象に日本救急医学会認定二次救急(Immediate Cardiac Life Support:ICLS)コースを年に6回,定員6名で開催している。しかし,リハビリテーション(以下リハ)職員向けの内容ではない。そこで,昨年度に当院麻酔科医(ICLS認定コースディレクター)が「日本救急医学会認定リハビリ拡大BLS(Basic Life Support)コース」(以下リハ拡大BLS)を設立した。プログラムはBLS,心電図波形の見方,気道管理・換気,リハ場面を想定したシミュレーションで構成されている。シミュレーションは,リハ場面で遭遇した過去のインシデント・アクシデントを参考に作成した。コース終了後,感想と今後の改善に向けた自作のアンケートを配布・回収している。また,リハ拡大BLSで指導者としてコースが開催できることを目的に指導を受けている。
今回,リハ拡大BLSの評価を受講者アンケートから分析し,その結果を参考に今後のリハ拡大BLSについて検討した。
【方法】
2012年9月~2013年9月に実施されたリハ拡大BLS受講者の理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,その他を対象とした。アンケートの項目は10項目あり,そのうち1~5と7の項目を使用した。1.職種・経験年数,2.受講後の満足度,3.印象に残る項目と理由,4.不満が残る項目と理由,5.今後の改善点,7.受講を仲間に勧めるか否かとその理由,1が選択式,2がスケール,3~5が自由記述式,7が選択式および自由記述式とした。得られた回答をカテゴリー化して分析した。
【倫理的配慮,説明と同意】
個人を特定できないよう無記名とし,口頭にて目的を説明して同意を得た。
【結果】
2013年9月の時点で7回開催された。受講者は32名で回収率は100%であった。内訳は理学療法士15名,作業療法士6名,言語聴覚士8名,その他3名であった。項目2に対して100点満点で95点であった。項目3に対して「シナリオ」「リハ場面」「シチュエーション」をシミュレーション(72%)というカテゴリーとし,気管挿管(19%),心停止波形(3%),BLS(6%)を別カテゴリーとした。項目4に対して「嘔吐の例を増やす」「原因をイメージしやすいようにシナリオを増やす」をシミュレーション(34%)というカテゴリーとし,他は特になし(66%)というカテゴリーとした。項目5に対して「場所の設定でバリエーションが欲しい」「車椅子の場面が欲しい」「ナースも参加して欲しい」をバリエーション(9%)というカテゴリー,「設定を分かりやすくして欲しい」「アドバイスが欲しかった」「やることをマニュアル化して欲しい」「なぜ,この手技が必要なのか解説が欲しい」をアドバイス(13%)というカテゴリーとし,他は特になし(78%)というカテゴリーとした。項目7に対して受講者全員が他の職員へリハ拡大BLSの受講を勧めたいと答えた。
【考察】
シミュレーションは,よりイメージをもって学ぶことができたために効果的であったと考える。バリエーションのカテゴリーは経験値を高めたいという意思の表れと考える。アドバイスのカテゴリーではシミュレーションの正解を求めているような意見も見られた。しかし,我々が意図としているのはシミュレーションから臨機応変に対応できる人材の育成であり,一部の受講者とは認識の差があったと考える。我々の課題としては意図が伝えられる指導力をつけ,受講者の能力に合わせたシミュレーション呈示が求められる。
【理学療法学研究としての意義】
リハ拡大BLSを理学療法士が指導することで,より臨機応変に対応できる人材が育成できる。また,理学療法にも応用が可能となる。
当法人では職員対象に日本救急医学会認定二次救急(Immediate Cardiac Life Support:ICLS)コースを年に6回,定員6名で開催している。しかし,リハビリテーション(以下リハ)職員向けの内容ではない。そこで,昨年度に当院麻酔科医(ICLS認定コースディレクター)が「日本救急医学会認定リハビリ拡大BLS(Basic Life Support)コース」(以下リハ拡大BLS)を設立した。プログラムはBLS,心電図波形の見方,気道管理・換気,リハ場面を想定したシミュレーションで構成されている。シミュレーションは,リハ場面で遭遇した過去のインシデント・アクシデントを参考に作成した。コース終了後,感想と今後の改善に向けた自作のアンケートを配布・回収している。また,リハ拡大BLSで指導者としてコースが開催できることを目的に指導を受けている。
今回,リハ拡大BLSの評価を受講者アンケートから分析し,その結果を参考に今後のリハ拡大BLSについて検討した。
【方法】
2012年9月~2013年9月に実施されたリハ拡大BLS受講者の理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,その他を対象とした。アンケートの項目は10項目あり,そのうち1~5と7の項目を使用した。1.職種・経験年数,2.受講後の満足度,3.印象に残る項目と理由,4.不満が残る項目と理由,5.今後の改善点,7.受講を仲間に勧めるか否かとその理由,1が選択式,2がスケール,3~5が自由記述式,7が選択式および自由記述式とした。得られた回答をカテゴリー化して分析した。
【倫理的配慮,説明と同意】
個人を特定できないよう無記名とし,口頭にて目的を説明して同意を得た。
【結果】
2013年9月の時点で7回開催された。受講者は32名で回収率は100%であった。内訳は理学療法士15名,作業療法士6名,言語聴覚士8名,その他3名であった。項目2に対して100点満点で95点であった。項目3に対して「シナリオ」「リハ場面」「シチュエーション」をシミュレーション(72%)というカテゴリーとし,気管挿管(19%),心停止波形(3%),BLS(6%)を別カテゴリーとした。項目4に対して「嘔吐の例を増やす」「原因をイメージしやすいようにシナリオを増やす」をシミュレーション(34%)というカテゴリーとし,他は特になし(66%)というカテゴリーとした。項目5に対して「場所の設定でバリエーションが欲しい」「車椅子の場面が欲しい」「ナースも参加して欲しい」をバリエーション(9%)というカテゴリー,「設定を分かりやすくして欲しい」「アドバイスが欲しかった」「やることをマニュアル化して欲しい」「なぜ,この手技が必要なのか解説が欲しい」をアドバイス(13%)というカテゴリーとし,他は特になし(78%)というカテゴリーとした。項目7に対して受講者全員が他の職員へリハ拡大BLSの受講を勧めたいと答えた。
【考察】
シミュレーションは,よりイメージをもって学ぶことができたために効果的であったと考える。バリエーションのカテゴリーは経験値を高めたいという意思の表れと考える。アドバイスのカテゴリーではシミュレーションの正解を求めているような意見も見られた。しかし,我々が意図としているのはシミュレーションから臨機応変に対応できる人材の育成であり,一部の受講者とは認識の差があったと考える。我々の課題としては意図が伝えられる指導力をつけ,受講者の能力に合わせたシミュレーション呈示が求められる。
【理学療法学研究としての意義】
リハ拡大BLSを理学療法士が指導することで,より臨機応変に対応できる人材が育成できる。また,理学療法にも応用が可能となる。