第49回日本理学療法学術大会

講演情報

専門領域研究部会 生活環境支援理学療法 » 生活環境支援理学療法 シンポジウム

我々が考えてきた生活環境支援~過去から現在,そして未来への提言

2014年6月1日(日) 10:35 〜 12:15 第6会場 (3F 304)

司会:大峯三郎(九州栄養福祉大学リハビリテーション学部理学療法学科)

専門領域 生活環境支援

[2062] 我々が考えてきた生活環境支援~過去から現在,そして未来への提言

鈴木英樹 (北海道医療大学リハビリテーション科学部理学療法学科)

日本理学療法士協会の中で,専門領域研究部会が設立されたことを契機として,旧生活環境支援理学療法研究部会が設立されて以来,主として生活環境支援の立場から患者や地域生活者を支援するための理学療法の技術向上のために取り組んできました。生活環境支援の対象となる疾病や障がいは多岐に渡ります。しかしながら,その根本は対象となる人々の生活環境に焦点を当て,対象となる人々のマッチングを高めるという視点が根幹にあります。実際に本研究部会が取り組んできた分野を列挙してみますと,義肢装具装着者の生活支援,障がい児の生活環境支援,住環境整備や福祉用具の選択や調整,さらには障がいがある方々のスポーツ活動をはじめとした社会参加支援と多岐に渡ります。
しかしながら,社会の変化に伴い,専門部会の在り方も今後数年のうちに大きく変わろうとしています。そのことに伴って,本部会が担っていた分野は,日本地域理学療法分化学会,日本支援工学理学療法分化学会等に枝分かれしながら深化して行くこととなります。
そこで本シンポジウムでは,旧生活環境支援理学療法研究部会運営幹事として永らく活動されてきた方々をシンポジストにお迎えし,部会が担って来た分野における昨今の理学療法士の役割を概観して頂くとともに,今後の分化学会の発展に向けての提言等についてもお話しいただき,今後の方向性についてフロアの皆様方と意見交換を行いたいと考えています。
また,シンポジウムの最後には次年度以降の日本地域理学療法分化学会,日本支援工学理学療法分化学会の今後の企画等についても皆様方にご紹介させて頂く予定です。

シンポジスト並びに司会は以下の方々です。

【シンポジスト】
・奥田 邦晴 先生(大阪府立大学);障がい者の地域社会参加におけるPTの役割
奥田先生は,障がい者スポーツ指導員の育成をはじめ,障がいがある方々のスポーツ活動の支援に取り組まれておられます。その取り組みから,障がいがある方々の地域社会参加における理学療法士の役割をお話しいただきます。
・原 和彦 先生(埼玉県立大学);急性期から維持期を通した義肢装具使用者におけるPTの役割
原先生は,義肢装具の作成や装着訓練を通じて,義肢装具使用者の方々の生活環境支援に取り組まれてきました。その取り組みから,主として急性期から在宅生活を送られる維持期の義肢装具使用者の方々に対する理学療法士の役割をお話しいただきます。
・新田 収 先生(首都大学東京);障がい児の生活環境支援におけるPTの役割
新田先生は,障がい児に対する福祉用具の提案をはじめとした生活環境支援に取り組まれてきました。その取り組みから,主として障がい児の生活環境に対する理学療法士の役割をお話しいただきます。
・河添竜志郎 先生(株式会社くますま);高齢社会の到来を踏まえた地域におけるPTの役割
河添先生は,通所及び訪問事業所を自営しながら,地域在住の高齢者や障がい者の方々の支援に当たられています。その業務を通し,今後の社会情勢を見据えた地域に求められる理学療法士の役割についてお話しいただきます。

【司 会】
・大峯 三郎先生(九州栄養福祉大学)
大峯先生は,旧生活環境支援理学療法研究部会発足以来,部会長を担われ,本部会の推移を見守って来られました。本シンポジウムでは,全体の進行を担って頂くとともに,本部会が取り組んできた事,そのことを踏まえて今後どのように発展させて行くべきなのかをご提言頂く予定です。