第50回日本理学療法学術大会

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分科学会・部門 教育講演

産業理学療法部門 分科学会・部門 教育講演11

Sat. Jun 6, 2015 3:00 PM - 3:50 PM 第4会場 (ホールB7(2))

司会:岡原聡(大阪府立急性期・総合医療センター リハビリテーション科)

[K-11-1] 障害者就労支援と理学療法士とのかかわり

應武善郎1, 岡原聡2 (1.株式会社ダイキンサンライズ摂津, 2.大阪府立急性期・総合医療センター)

現在企業で働いている障害者は就労前に様々な理学療法で機能を回復し職業訓練などを経て就職に至ったケースが多い。理学療法士とその後の就労支援の連携が深まることを願い,就職後の就労状況の事例について報告する。我が国の障害者は788万人で,そのうち5人以上の企業で雇用されている障害者は63万人である。法律では50人以上の企業は2%以上の障害者を雇用することが義務付けられているが達成している企業は42%に過ぎない。
今回報告する(株)ダイキンサンライズ摂津は大阪府と摂津市も出資したダイキン工業(株)の特例子会社として平成5年に設立された。当初は車椅子の人が働きやすいように段差などなくした工場とし,組み立て作業が障害者のみで行えるよう配慮した作業場で操業を開始した。その後,順次社員の障害種別も広がり,現在では肢体不自由31,聴覚障害者31,視覚障害者1,知的障害者22,精神障害者25,健常者17名が働いている。
日常の生産活動はすべて障害者が中心に運営され,製造部長以下生産部門の管理監督職はすべて障害者が担っている。社員は理学療法などの機能訓練や職業能力訓練校,学校などでの職業訓練を経て入社するが専門的な技能を身に着けている人は少ない。
入社後は主として実際に作業しながら技能を習得するOJTが主で,障害のために作業しにくい場合,障害に応じて自ら提案した道具を使ったり作業環境を変えるなどしてできない作業ができるよう改善している。
資格が必要な仕事については障害種別にかかわらず取得を促し,フォークリフト運転免許,フロンガス回収,有機溶剤取扱いなどの免許を取得している。
モチベーション向上のため給与・賞与は業績に応じて決めており,管理監督職への登用も実施し,現在製造部長以下管理監督職は全員肢体不自由,聴覚障害,視覚障害などの障害者である。
さまざまな障害のある社員がいきいきと働く様子を紹介する。