[O-0176] 心不全患者で心原性脳梗塞を発症し心臓・脳・腎臓のリスク管理を行いながら理学療法を施行した症例
キーワード:心不全, 脳梗塞, 早期離床
【目的】
心不全患者で脳梗塞を発症し心不全・CKDもあり離床のタイミングとリスク管理に難渋した症例を経験したので報告する。
【症例提示】
89歳,女性,BMI17.1Kg/m2。既往に心房細動,CKDあり。入院数日前より胸痛,全身倦怠感があった。受診時,心拍数30代の徐脈を認め体外式ペースペーカーを装着し薬剤による洞不全症候群・僧帽弁逆流症に起因した心不全で入院となった。
【経過と考察】
3病日に左中大脳動脈領域梗塞・硬膜下血腫発症,4病日に同部位の出血性梗塞発症,右上下肢麻痺BRSにてIIIIII,失語,右無視傾向あり。同日より理学療法を開始した。5病日にバルーンカテーテル抜去,13病日に離床を開始した。32病日にペースメーカー植込み術を施行し49病日目に転院となった。考察を,離床のタイミングとリスク管理で難渋した点から述べる。①脳梗塞を発症したため血圧を高めに管理することと,心不全で低めに管理することの間で許容する血圧のコントロール値が狭かった。②心原性梗塞であり,血栓遊離のリスクと離床のタイミングが難しかった。③出血性梗塞を発症し血圧高値による再出血のリスクがあり離床のタイミングが難しかった。④脳梗塞による尿閉がわかり心不全管理の指標が少なく負荷量の設定が難しかった。治療の後半は抗凝固療法が効いてきたが,⑤慢性硬膜下血腫の増悪を考慮し負荷量の設定が難しかった。⑥最後は抑うつ様症状を認め治療の拒否が続き離床が難しかった点があった。
心不全患者で脳梗塞を発症し心不全・CKDもあり離床のタイミングとリスク管理に難渋した症例を経験したので報告する。
【症例提示】
89歳,女性,BMI17.1Kg/m2。既往に心房細動,CKDあり。入院数日前より胸痛,全身倦怠感があった。受診時,心拍数30代の徐脈を認め体外式ペースペーカーを装着し薬剤による洞不全症候群・僧帽弁逆流症に起因した心不全で入院となった。
【経過と考察】
3病日に左中大脳動脈領域梗塞・硬膜下血腫発症,4病日に同部位の出血性梗塞発症,右上下肢麻痺BRSにてIIIIII,失語,右無視傾向あり。同日より理学療法を開始した。5病日にバルーンカテーテル抜去,13病日に離床を開始した。32病日にペースメーカー植込み術を施行し49病日目に転院となった。考察を,離床のタイミングとリスク管理で難渋した点から述べる。①脳梗塞を発症したため血圧を高めに管理することと,心不全で低めに管理することの間で許容する血圧のコントロール値が狭かった。②心原性梗塞であり,血栓遊離のリスクと離床のタイミングが難しかった。③出血性梗塞を発症し血圧高値による再出血のリスクがあり離床のタイミングが難しかった。④脳梗塞による尿閉がわかり心不全管理の指標が少なく負荷量の設定が難しかった。治療の後半は抗凝固療法が効いてきたが,⑤慢性硬膜下血腫の増悪を考慮し負荷量の設定が難しかった。⑥最後は抑うつ様症状を認め治療の拒否が続き離床が難しかった点があった。