[O-0214] 高齢者クモ膜下出血に対する攣縮期リハビリテーションの介入基準の検討
キーワード:クモ膜下出血, 脳血管攣縮期, リスク管理
【目的】
脳卒中治療ガイドラインでは十分なリスク管理のもとに早期からの積極的なリハビリテーション(リハ)の提供を強く推奨する一方で,クモ膜下出血(SAH)においては離床の時期を個別に検討することが勧められている。近年,脳血管攣縮期(攣縮期)からの早期離床の有効性が報告されているが,そのリスク管理については不明確な点が多い。今回,当院独自の介入基準を作成し有害事象なく経過した症例を報告する。
【症例提示】
75歳女性。後方循環動脈瘤の破裂によるSAH発症。来院時WFNS gradeV(Day1)。翌日gradeIVへ改善しコイル塞栓術施行。病前ADLは胸腰椎圧迫骨折等の既往あり要支援2。攣縮期中も状態に応じて離床を行い,ADL低下を予防する必要があった。
【経過と考察】
Day5腰椎ドレーン(SD)管理下にてPT開始し,初期評価GCS14点(E4V4M6),脳神経症状や四肢の運動麻痺・感覚障害は認めなかったが,ヘッドアップ時に血圧低下認め離床中止。Day6-7介入時は熱発を認め,Day8離床開始。Day19SD抜去後歩行練習開始し,Day38後遺症なく自宅退院した。近年,攣縮期からの早期離床の有効性を示す報告は増え,特に高齢者の廃用症候群を予防することは必須と考える。リスク管理の点でOlkowskiらは平均動脈圧と頭蓋内圧をモニタリングすることで早期リハが安全に実施できることを報告した。我々はその基準を参考に血液データの適正(TripleH療法等の適正)と神経学的徴候の有無を確認し,介入中は神経所見・バイタルサインの変化に加え近赤外分光法(NIRS)を用いて脳血流評価をモニタリングすることで離床を進めた。重症例かつ入院時低カリウム血症など脳血管攣縮発生の予測因子が高リスクの症例であったが,介入基準に準じたリハ介入により有害事象なく既往症のある本症例のADL低下を予防できたと考える。
脳卒中治療ガイドラインでは十分なリスク管理のもとに早期からの積極的なリハビリテーション(リハ)の提供を強く推奨する一方で,クモ膜下出血(SAH)においては離床の時期を個別に検討することが勧められている。近年,脳血管攣縮期(攣縮期)からの早期離床の有効性が報告されているが,そのリスク管理については不明確な点が多い。今回,当院独自の介入基準を作成し有害事象なく経過した症例を報告する。
【症例提示】
75歳女性。後方循環動脈瘤の破裂によるSAH発症。来院時WFNS gradeV(Day1)。翌日gradeIVへ改善しコイル塞栓術施行。病前ADLは胸腰椎圧迫骨折等の既往あり要支援2。攣縮期中も状態に応じて離床を行い,ADL低下を予防する必要があった。
【経過と考察】
Day5腰椎ドレーン(SD)管理下にてPT開始し,初期評価GCS14点(E4V4M6),脳神経症状や四肢の運動麻痺・感覚障害は認めなかったが,ヘッドアップ時に血圧低下認め離床中止。Day6-7介入時は熱発を認め,Day8離床開始。Day19SD抜去後歩行練習開始し,Day38後遺症なく自宅退院した。近年,攣縮期からの早期離床の有効性を示す報告は増え,特に高齢者の廃用症候群を予防することは必須と考える。リスク管理の点でOlkowskiらは平均動脈圧と頭蓋内圧をモニタリングすることで早期リハが安全に実施できることを報告した。我々はその基準を参考に血液データの適正(TripleH療法等の適正)と神経学的徴候の有無を確認し,介入中は神経所見・バイタルサインの変化に加え近赤外分光法(NIRS)を用いて脳血流評価をモニタリングすることで離床を進めた。重症例かつ入院時低カリウム血症など脳血管攣縮発生の予測因子が高リスクの症例であったが,介入基準に準じたリハ介入により有害事象なく既往症のある本症例のADL低下を予防できたと考える。