第50回日本理学療法学術大会

講演情報

口述

参加型症例研究ディスカッション 口述11

災害・国際支援

2015年6月7日(日) 12:00 〜 13:00 第4会場 (ホールB7(2))

座長:安部ちひろ(浜通り訪問リハビリステーション), 平上二九三(吉備国際大学 保健医療福祉学部理学療法学科)

[O-0762] 公益社団法人 神奈川県理学療法士会 災害対策委員会の役割と活動報告

下田栄次, 松田梓, 西澤茂子, 今川祐子, 松本肇, 坪内敬典, 隆島研吾 (公益社団法人神奈川県理学療法士会災害対策委員会)

キーワード:災害対策委員会, 地域防災, 理学療法士

【目的】
東日本大震災を経て,都道府県士会組織としての防災・減災対策について,指示命令系統から人員配置,役割分担,支援要請の方法などの情報を一元化させた災害時対応マニュアル(以下,ガイドライン)や災害対応の必要性が改めてクローズアップされている。(公社)神奈川県理学療法士会(以下,県士会)においても平成25年5月に災害対策委員会が発足。これまでの災害対策委員会の活動を報告するとともに,今後の課題について考察する。
【活動報告】
平成25年度事業は,①災害対策本部を中心とした初動対応における情報伝達機構の確立及び,非常時人材支援の確保を中心としたガイドラインの作成,②会員に対する災害リハビリテーション(以下,リハ)支援活動への普及啓発及び,災害対策研修会の開催③県内における災害支援ネットワークの構築,を基調に事業を展開,平成26年度は「理学療法士としてできる防災,減災対策」について「地域防災」をキーワードにした地域づくり,顔の見える関係性の構築を目標に掲げた。

【考察】
大規模災害発生時の災害対策本部を中心とした初動対応と情報伝達機構を確立する為に,具体的な組織編制と人選を急ぐ必要がある。また行政との窓口となる担当コーディネーターは専従の人員を配置する事が望ましいが,今後の課題である。発災時における正確な情報の発信・広報,支援要請に関わる行政との通信連絡手段の確保も必要である。また,災害時における各エリアの人的資源の把握を目的とした,各フェーズに求められるスキルと支援可能な人材とのマッチング作業や緊急参集アンケート調査等を検討中である。
【結論】
平時より,リハ関連団体間との災害リハ支援ネットワークの構築や事業提携,それを支持する組織も必要と考える。理学療法士を取り巻く環境として,この領域を専門とする理学療法士の人材育成や国際協力も視野に入れた卒前,卒後教育も今後は必要であると考える。