[O-0808] 中條-西村症候群に対する運動療法の有用性
Keywords:中條-西村症候群, 筋力増強訓練, 運動強度
【目的】
中條-西村症候群(以下:NNS)はプロテアソーム機能不全によって起こる遺伝性炎症性疾患と考えられており,和歌山県を中心に国内で30例程度の報告しかない。症状は顔面と上肢を中心とする脂肪,筋萎縮を起こしADL低下を認める。しかし,当疾患に対して理学療法(以下:PT)の報告はない。今回,筋力とADLが低下した症例を担当し,PT介入により筋力改善,ADL向上に寄与しPTの有用性を示したので報告する。
【症例提示】
37歳,男性。2014年頃より除々に筋力低下からADL障害を来し,8月頃より筋力向上,ADL向上目的で週2回の外来リハ開始,9月より入院リハ開始となった。入院時,ROMは左手関節掌屈制限,両手指に伸展制限があり,MMTでは三角筋2/2-,上腕二頭筋2/2-,上腕三頭筋3/2,腸腰筋2/4,大腿四頭筋2-/4,前脛骨筋2/2,大殿筋4/4,中殿筋4/4と低下を認めた。感覚,深部腱反射は正常,ADLはFIM91点で起立,食事,更衣,トイレ動作に制限があった。
【経過と考察】
NNSの発症頻度は極稀で,PTによる筋力,ADL向上効果は明らかではない。そのため今回,ハンドヘルドダイナモメータで最大筋力を測定し,DeLormeによる漸増抵抗運動に沿って最大筋力70~80%に相当する負荷で10回,Ikaiらの持久力向上運動に沿って最大筋力30~50%に相当する負荷を30回行い,Borg Scaleで自覚症状を確認しながら可能な限り実施した。また,過負荷による筋破壊の可能性も考慮しCKを指標とした結果,リハ開始直後358と上昇認めたがその後,200~270を保ち正常範囲内であった。リハ開始33日後より除々に筋力改善がみられ,54日後にはMMT三角筋3/3,上腕二頭筋3/3,上腕三頭筋2/2,腸腰筋3/4,大腿四頭筋2/4,前脛骨筋2/2,中殿筋4+/4+,大殿筋5-/5-へと改善し,FIM101点とADL向上がみられた。以上の結果から本症例より当疾患に対してPTが有用であることが示唆された。
中條-西村症候群(以下:NNS)はプロテアソーム機能不全によって起こる遺伝性炎症性疾患と考えられており,和歌山県を中心に国内で30例程度の報告しかない。症状は顔面と上肢を中心とする脂肪,筋萎縮を起こしADL低下を認める。しかし,当疾患に対して理学療法(以下:PT)の報告はない。今回,筋力とADLが低下した症例を担当し,PT介入により筋力改善,ADL向上に寄与しPTの有用性を示したので報告する。
【症例提示】
37歳,男性。2014年頃より除々に筋力低下からADL障害を来し,8月頃より筋力向上,ADL向上目的で週2回の外来リハ開始,9月より入院リハ開始となった。入院時,ROMは左手関節掌屈制限,両手指に伸展制限があり,MMTでは三角筋2/2-,上腕二頭筋2/2-,上腕三頭筋3/2,腸腰筋2/4,大腿四頭筋2-/4,前脛骨筋2/2,大殿筋4/4,中殿筋4/4と低下を認めた。感覚,深部腱反射は正常,ADLはFIM91点で起立,食事,更衣,トイレ動作に制限があった。
【経過と考察】
NNSの発症頻度は極稀で,PTによる筋力,ADL向上効果は明らかではない。そのため今回,ハンドヘルドダイナモメータで最大筋力を測定し,DeLormeによる漸増抵抗運動に沿って最大筋力70~80%に相当する負荷で10回,Ikaiらの持久力向上運動に沿って最大筋力30~50%に相当する負荷を30回行い,Borg Scaleで自覚症状を確認しながら可能な限り実施した。また,過負荷による筋破壊の可能性も考慮しCKを指標とした結果,リハ開始直後358と上昇認めたがその後,200~270を保ち正常範囲内であった。リハ開始33日後より除々に筋力改善がみられ,54日後にはMMT三角筋3/3,上腕二頭筋3/3,上腕三頭筋2/2,腸腰筋3/4,大腿四頭筋2/4,前脛骨筋2/2,中殿筋4+/4+,大殿筋5-/5-へと改善し,FIM101点とADL向上がみられた。以上の結果から本症例より当疾患に対してPTが有用であることが示唆された。