[O-0840] 体重免荷トレッドミル歩行トレーニングによって歩行能力とQOLが顕著に改善し,復職が可能となった不全頸髄損傷者
Keywords:不全脊髄損傷, BWSTT, 最大歩行速度
【目的】
不全脊髄損傷は歩行を再獲得する可能性が高いが,community ambulationが自立せず,復職が困難となる症例もみられる。しかし,我々が独自に考案した歩行率を増加させる設定の体重免荷トレッドミル歩行トレーニング(BWSTT)を不全頸髄損傷者1例に実施した結果,歩行能力とQOLが顕著に改善し,復職を果たすことができた。
【症例提示】
症例は受傷後2ヶ月の外傷性頸髄損傷者(48歳,男性)。職業は営業事務職。介入前評価では,ASIA Impairment Scale D,Neurological LevelはC5,上肢筋力スコア(UEMS)は35,下肢筋力スコア(LEMS)は40,四肢に軽度の痙縮がみられた。歩行能力は屋内歩行器歩行が自立レベルであった。
【経過と考察】
介入期間は8週間(週5日),歩行トレーニングを40分(歩行率を賦活できる条件である体重の20~30%免荷,最大速度の110~120%で25分間のBWSTTを行い,あわせて平地歩行トレーニングを15分実施),その他のトレーニングを60分実施した。介入前の10m最大歩行速度(MWS)と6分間歩行テストはそれぞれ,1.96 m/s,389 mであったが,介入後は2.66 m/s,713 mと顕著にに改善し,独歩によるcommunity ambulationが自立となり,自宅退院が可能となった。また,介入前のSF-36の身体機能,日常役割機能(身体),全体的健康感,活力,日常役割機能(精神),心の健康はそれぞれ,65.0,18.8,57.0,50.0,25.0,40.0であったが,介入後は90.0,50.0,72.0,68.8,50.0,60.0へと改善した。自宅退院1か月後に復職を果たした。
MWSの歩行比(左右の平均歩幅/歩行率)が介入前後で0.0064から0.0054へ著しく減少したため,MWSの改善の要因は歩行率の増加によるものであったと考える。
不全脊髄損傷は歩行を再獲得する可能性が高いが,community ambulationが自立せず,復職が困難となる症例もみられる。しかし,我々が独自に考案した歩行率を増加させる設定の体重免荷トレッドミル歩行トレーニング(BWSTT)を不全頸髄損傷者1例に実施した結果,歩行能力とQOLが顕著に改善し,復職を果たすことができた。
【症例提示】
症例は受傷後2ヶ月の外傷性頸髄損傷者(48歳,男性)。職業は営業事務職。介入前評価では,ASIA Impairment Scale D,Neurological LevelはC5,上肢筋力スコア(UEMS)は35,下肢筋力スコア(LEMS)は40,四肢に軽度の痙縮がみられた。歩行能力は屋内歩行器歩行が自立レベルであった。
【経過と考察】
介入期間は8週間(週5日),歩行トレーニングを40分(歩行率を賦活できる条件である体重の20~30%免荷,最大速度の110~120%で25分間のBWSTTを行い,あわせて平地歩行トレーニングを15分実施),その他のトレーニングを60分実施した。介入前の10m最大歩行速度(MWS)と6分間歩行テストはそれぞれ,1.96 m/s,389 mであったが,介入後は2.66 m/s,713 mと顕著にに改善し,独歩によるcommunity ambulationが自立となり,自宅退院が可能となった。また,介入前のSF-36の身体機能,日常役割機能(身体),全体的健康感,活力,日常役割機能(精神),心の健康はそれぞれ,65.0,18.8,57.0,50.0,25.0,40.0であったが,介入後は90.0,50.0,72.0,68.8,50.0,60.0へと改善した。自宅退院1か月後に復職を果たした。
MWSの歩行比(左右の平均歩幅/歩行率)が介入前後で0.0064から0.0054へ著しく減少したため,MWSの改善の要因は歩行率の増加によるものであったと考える。