第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

都道府県士会などの活動研究報告 ポスター1

教育

2015年6月5日(金) 11:20 〜 12:20 ポスター会場 (展示ホール)

座長:棏平司(労働者健康福祉機構 関西労災病院 中央リハビリテーション部)

[P1-0004] 静岡県理学療法士会 教育・管理系専門部会活動報告

臨床教育支援用DVDの紹介

堀本ゆかり, 山田洋一, 佐々木嘉光, 中澤陽介, 内田全城, 石神理恵, 鈴木りえ (一般社団法人静岡県理学療法士会教育・管理系専門部会)

キーワード:臨床教育, ティーチングティップス, 教育力

【目的】
静岡県理学療法士会 教育・管理専門部会は,平成19年度に県内の臨床実習指導者の教育力向上を目的に設置され,臨床実習指導者の教育的スキルの向上,養成校間の連携強化,教育関連の研究活動の推進,組織運営上の人材教育を活動目的として取り組んでいる。今回,臨床実習指導者の教育力向上を目的として作成した臨床教育支援用DVDの紹介と,その満足度について報告する。
【活動報告】
DVDは2本制作し,全視聴時間は約20分である。1本目は臨床実習NG集と題し,「学生の人格否定」「学生の孤立化」「パワハラ」「国語力の指導」「過剰な量の課題」の5部構成であり,2本目は症例検討会編でGOOD・NO-GOODの2部構成となっている。内容は,実際に経験された事案をもとに台本を作成し,寸劇形式で撮影した。
平成26年10月現在の貸出は,25都道府県55箇所である。満足度調査の目的で郵送時,任意で質問紙の記載を依頼している。今回は回答が得られた215件についてデータを踏まえ,報告する。
【考察】
木村は,臨床実習の指導のあり方の多くは,指導者個々の価値観や経験則に基づいた実習指導として行われているのが実情のように思われると報告しており,指導者の教育力に大きく左右されると考えられる。DVDによる話題提供は,客観的な振り返りを促し,汎用的な場面で活用を可能にする。また,視聴者の共通認識を高めることができ,抵抗感や負担感を軽減することができる。職場での認知的徒弟制度という学習デザインの成功体験は,臨床実習教育へのよりよい関わりを保証する要因とも成り得る。その中に,視点を明確にしたティーチングティップスを組み込むことにより,人材育成システムの効率化が期待できる。
【結論】
教育・管理系専門部会にとって,組織,地域での中核的人材の育成は急務である。今後も理学療法士の危機管理能力や論理的思考力,教育力向上に向けた継続性のある取り組みを提案したい。