第50回日本理学療法学術大会

Presentation information

ポスター

都道府県士会などの活動研究報告 ポスター3

介護予防・その他

Fri. Jun 5, 2015 11:20 AM - 12:20 PM ポスター会場 (展示ホール)

座長:鶯春夫(徳島文理大学 保健福祉学部理学療法学科)

[P1-0014] 鹿児島県理学療法士協会における転倒骨折予防教室の取り組みについて

上村明子, 中村裕樹, 赤﨑昭朗, 坂本一路, 平名章二, 村山芳博, 梅本昭英 (公益社団法人鹿児島県理学療法士協会)

Keywords:転倒骨折予防教室, 調査, 課題分析

【目的】
鹿児島県理学療法士協会は,鹿児島市からの委託事業として保健所と協働し,転倒骨折予防教室(以下,教室)を実施している(H25年度実績250か所約4000名を対象)。今回,当教室の今後の取り組みの一助とすることを目的に事業開始当初からの活動の推移を調査し課題分析を行ったので報告する。
【活動報告】
活動内容は,パンフレットを用い転倒骨折予防に関する講義・実技指導である。平成21年度に開催された教室のうち,無作為に選定した教室の参加者1155名を対象に説明と同意を得て無記名方式でアンケート調査した結果,1年以内に転倒を経験した方が14.8%,平成23年度,同様に68ヶ所1476名に対し実施し,1年以内の転倒者は15.8%となった。さらに,同年の調査でのロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)の認知度は21.7%で,ロコチェックの該当者は,非転倒経験群が49.3%であるのに対し転倒経験群は72.7%と有意に運動機能の低下が伺えた。指導者の理学療法士経験年数は9.2±7.2年で,指導経験年数は3.2±2.4年であり,指導内容としては,講義57.8%・実技35.6%となった。
【考察】【結論】
毎年参加者の満足度は非常に高いが,具体的に介入後の効果判定を行えていない。各教室年1回のみの開催で転倒に対する知識の習得に関してパンフレットを利用した講義主体にならざる負えないことも理由として考えられる。運動の習慣化には,具体的な運動の提案や教室以外でも継続していけるような環境作りと運動の意識付けや自身の能力を認識してもらうことが重要である。転倒者の割合が2時期において変化がなかったことは,この教室の一定の効果を示すものではあるが,今後,地域高齢者に対し教室以外での積極的な働きかけやロコモ普及の推進も重要と考える。同時にスタッフ育成に関しては,当協会での指導はもとよりリーダー制度などにより更なるスキルアップを図り,地域への働きかけが重要になってくると思われる。