[P1-A-0067] 意識障害を伴う急性心筋梗塞症に対し,冠動脈バイパス術施行後に低体温療法を行った1症例
低体温療法中の早期リハビリテーションの試み
Keywords:急性心筋梗塞症, 低体温療法, 早期リハビリテーション
【目的】
ガイドライン2010では,院外心室細動心停止心拍出再開後も昏睡状態にある成人患者に対する低体温療法のEvidence based medicineはクラスIとされ,多くの臨床結果が報告されている。しかし,低体温療法中のリハビリテーションに対する報告は少ない。今回,意識障害を伴う急性心筋梗塞症に対し,冠動脈バイパス手術施行後の低体温療法導入中より早期にリハビリテーション(以下,リハビリ)を開始し,合併症を併発せず,自宅退院に至った症例を経験したので報告する。
【症例提示】
症例は50歳代の男性で冠危険因子に特記事項なし。2014年6月上旬12時に仕事中に意識消失し,同僚が一次救命処置を施行。救急隊到着時,心室細動認め電気的除細動2回実施し心拍再開が得られた状態で当院搬送。来院時Glasgow Coma Scale4点,血圧83/44mmHg,脈拍68bpm。WBC20600/μl,CPK658IU/l,CK-MB70IU/l,BNP23pg/ml。冠動脈造影検査にて#5:90%,#7:99%の狭窄認め,大動脈内バルーンパンピング(以下,IABP)挿入し,同日心拍動下冠動脈バイパス術(LITA-#8,Ao-SVG-#14)を施行。
【経過と考察】
術後は血液温34℃を目標に48時間の低体温療法を開始した。術後6時間でIABPを終了し,低体温療法中は,目標血液温,Richmond Agitation-Sedation Scale-4から-5,呼吸循環動態の維持管理を徹底しながらポジショニング,呼吸理学療法,四肢関節可動域練習を実施した。理学療法士の手掌皮膚温は,赤外線温度測定器(サンワサプライ社製)を用いて,症例の皮膚温と同温としシバリングを予防した。呼吸理学療法は安静臥位による低換気予防と呼吸器早期離脱を目的に実施した。低体温療法終了後は体温36℃を目標に3時間で0.5℃ずつ復温させ,術後3日目に呼吸器を離脱した。合併症の併発,神経学的異常所見は認めず,術後4日目に端座位,術後5日目より歩行練習を開始し,術後16日目で自宅退院となった。
ガイドライン2010では,院外心室細動心停止心拍出再開後も昏睡状態にある成人患者に対する低体温療法のEvidence based medicineはクラスIとされ,多くの臨床結果が報告されている。しかし,低体温療法中のリハビリテーションに対する報告は少ない。今回,意識障害を伴う急性心筋梗塞症に対し,冠動脈バイパス手術施行後の低体温療法導入中より早期にリハビリテーション(以下,リハビリ)を開始し,合併症を併発せず,自宅退院に至った症例を経験したので報告する。
【症例提示】
症例は50歳代の男性で冠危険因子に特記事項なし。2014年6月上旬12時に仕事中に意識消失し,同僚が一次救命処置を施行。救急隊到着時,心室細動認め電気的除細動2回実施し心拍再開が得られた状態で当院搬送。来院時Glasgow Coma Scale4点,血圧83/44mmHg,脈拍68bpm。WBC20600/μl,CPK658IU/l,CK-MB70IU/l,BNP23pg/ml。冠動脈造影検査にて#5:90%,#7:99%の狭窄認め,大動脈内バルーンパンピング(以下,IABP)挿入し,同日心拍動下冠動脈バイパス術(LITA-#8,Ao-SVG-#14)を施行。
【経過と考察】
術後は血液温34℃を目標に48時間の低体温療法を開始した。術後6時間でIABPを終了し,低体温療法中は,目標血液温,Richmond Agitation-Sedation Scale-4から-5,呼吸循環動態の維持管理を徹底しながらポジショニング,呼吸理学療法,四肢関節可動域練習を実施した。理学療法士の手掌皮膚温は,赤外線温度測定器(サンワサプライ社製)を用いて,症例の皮膚温と同温としシバリングを予防した。呼吸理学療法は安静臥位による低換気予防と呼吸器早期離脱を目的に実施した。低体温療法終了後は体温36℃を目標に3時間で0.5℃ずつ復温させ,術後3日目に呼吸器を離脱した。合併症の併発,神経学的異常所見は認めず,術後4日目に端座位,術後5日目より歩行練習を開始し,術後16日目で自宅退院となった。