第50回日本理学療法学術大会

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ポスター

症例研究 ポスター6

内部障害/循環1

Fri. Jun 5, 2015 11:20 AM - 12:20 PM ポスター会場 (展示ホール)

[P1-A-0073] デイケアでの心臓リハビリテーションの試み

加藤浩子 (宇都宮シルバーホーム)

Keywords:デイケア, 心臓リハビリテーション, 重複障害

【目的】
心臓リハビリテーションの維持期(III期)では地域の運動施設において行うものであり,目的としては快適な生活,再発予防とされている(心血管におけるリハビリテーションに関するガイドライン2012)。今回は介護保険下における心臓リハの取り組みを紹介し,問題点等を述べていきたい。
【症例提示】70歳代男性。主病名,うっ血性心不全,心室頻拍,慢性腎不全。現病歴としては,40歳代高血圧症で内服加療開始,心筋梗塞発症するが,それとはわからず治療せず経過。H15年急性心筋梗塞発症,ステント挿入され,体内式除細動器(ICD)埋め込まれるが,その後も何度も入退院を繰り返す。H26年3月よりデイケア,訪問看護導入。
【経過と考察】
デイケア開始後および,開始半年後の経過を以下に示す。デイケア開始時(安静度;車いす);血液データBNP262.8pg/dl,Cre2.27mg/dl,eGFR22.8,(PT評価)体組成 身長166.6cm,体重54.8kg,BMI19.8,体脂肪率22.9%,握力(kg)22.0/19.0,運動耐容能は,エルゴメーターのみ軽負荷で実施(10w1分×3セット)HR+5,Borg6-7。デイケア開始6か月後は医師に確認し,安静度を車いすから歩行レベルに変更した。デイケア開始6か月後(安静度;歩行)血液データBNP167.5pg/dl,Cre2.40mg/dl,eGFR21.5(PT評価)体組成 身長166.6cm,体重50.8kg,BMI18.4,体脂肪率17.6%,握力 右22kg/左22kg,運動耐容能歩行テスト50m×2周 35~40m/min HR+10(Borg6-7),50m×3周 35~40m/min HR+15(Borg 6-9)であった。
本症例は重度の心血管障害,慢性腎臓病を呈しているが,デイケア開始以降,体重,血圧管理も良好で新たな心不全による入院なく生活できている。このような症例が自宅で生活を続けるには,具体的な運動のアドバイス,生活指導が重要である。今後介護保険下においても,このような症例が増えることが予測され,医療と介護との連携は不可欠と考え,具体的な対策が必要と考える。