第50回日本理学療法学術大会

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ポスター

調査研究 ポスター2

神経理学療法

Fri. Jun 5, 2015 11:20 AM - 12:20 PM ポスター会場 (展示ホール)

[P1-A-0088] 障害者支援施設における脳血管障害片麻痺者の経時的能力変化

石﨑耕平1, 水田宗達1, 清宮清美2 (1.埼玉県総合リハビリテーションセンター理学療法科, 2.埼玉県総合リハビリテーションセンター地域支援担当)

Keywords:障害者支援施設, 片麻痺, 動作能力

【目的】
当指定障害者支援施設(以下,支援施設)は,主に維持期の方を対象に障害者総合支援法に基づき障害者の社会復帰を目指し,一定の期間必要なサービスを提供する通過型施設である。今回,入所において自立訓練(機能訓練)を受けた脳血管障害片麻痺者の理学療法(以下,PT)開始時と終了時における身体機能および動作能力を調査した。
【方法】
対象は2010年から2013年の入所において評価項目が測定可能であった男性32名。疾患は脳出血22名・脳梗塞10名,麻痺側は右17名・左15名,年齢44.3±7.9歳,発症からの期間333.9±229.8日,PT実施期間301.3±112.2日,PT実施頻度は週1~3回であった。評価項目は身体機能の指標としてBrunnstrome Recovery Stage,感覚障害,非麻痺側膝伸展筋力,動作能力の指標として10m歩行速度,Timed Up & Go test,Berg Balance Scale,12分間歩行距離,30秒椅子立ち上がりテスト,歩行自立度,Barthel Indexとした。評価項目を対応のあるt検定あるいはWilcoxonの符号付順位和検定を用いて開始時と終了時で比較した。
【結果と考察】
開始時と比較して終了時では動作能力の指標すべてにおいて有意な改善が認められた(p<0.01)。しかし,身体機能の指標すべてにおいて有意な改善は認められなかった。支援施設を利用した維持期の片麻痺者において,身体機能の改善はみられなくとも動作能力は改善する可能性があることが示唆された。また,開始時と終了時において,歩行自立度とBarthel Indexに差がみられたことから,生活様式の変更や生活範囲の拡大の可能性が考えられ,理学療法士は変化した能力に合った生活基盤の確立に対してアプローチしていく必要性がある。