第50回日本理学療法学術大会

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ポスター

調査研究 ポスター3

運動器理学療法

Fri. Jun 5, 2015 11:20 AM - 12:20 PM ポスター会場 (展示ホール)

[P1-A-0091] 大腿骨近位部骨折術後の高齢者における反対側骨折受傷の要因

増田幸泰, 中野壮一郎, 北村智之 (府中恵仁会病院リハビリテーション部)

Keywords:大腿骨近位部骨折, 両側骨折, 高齢者

【目的】
当院における大腿骨近位部骨折術後の患者で自宅退院した患者(以下,自宅群)と回復期リハビリテーション病院(以下,回復期)へ転院した患者(以下,回復期群)を比較し,反対側骨折に転帰先や理学療法実施期間が関与するかの調査を目的とした。
【方法】
対象は2011年4月から2014年9月までに当院にて大腿骨近位部骨折の手術を施行した65歳以上の患者で,初回骨折時に自宅または回復期へ転帰した患者(302名)のうち,上記期間内に反対側の骨折を受傷し当院にて治療を行った10名(男性1名,女性9名)とした。自宅群5名(82.8±6.2歳),回復期群5名(84.4±3.8歳)であった。
カルテより後方視的に反対側骨折までの期間,在院日数,術後の理学療法実施期間(以下,実施期間),手術から歩行練習開始までの期間(以下,歩行開始期間),認知症の有無,受傷前及び退院時の歩行能力,術式を調査した。統計処理にはSPSS21.0を用い対応のないt検定とχ2検定で比較し,有意水準は5%とした。
【結果と考察】
反対側骨折までの期間は自宅群が480.6日(152~858日),回復期群が459.2日(200~1098日)であり,有意差は認めなかった。なお,1年以内の発症は自宅群1例,回復期群3例であった。在院日数,実施期間,認知症の有無も両群で有意差を認めなかった。退院時歩行能力については初回と2回目の比較で両群とも2例の低下を認めた。2回目の転帰先は5例が回復期,3例が施設入所となり,自宅退院は2例のみだった。回復期への転院によって継続的に理学療法の実施が可能となるが,そのことが反対側の骨折予防に関与しない可能性が示唆された。今後は回復期以降の理学療法実施状況や施設入所などの転帰先も含めた調査と運動機能の詳細を調べる必要があると考えられた。