[P1-A-0094] 回復期病棟運動器疾患患者における
運動能力と栄養状態の関連
入院時栄養状態と運動機能改善度に着目して
Keywords:栄養管理, 運動器, 回復期病棟
【目的】
運動能力の改善には運動療法等による介入と共に栄養状態が重要と考えられるが,回復期病棟入院時から栄養障害を認める患者を多く経験する。そこで今回,①運動器疾患患者の属性を調査,②退院時Functional Independence Measureの運動項目(以下M-FIM)と栄養状態の関係性を検討,③M-FIM改善度と栄養状態の関係性を検討することとした。
【方法】
平成23年10月~平成25年3月にA病院回復期病棟を退院した運動器疾患患者でデータに不備がなかった186名(平均年齢80.1±11.1歳)を対象とした。調査項目は年齢,入院時血清アルブミン値(以下Alb値),入院時・退院時M-FIMとした。検討方法は,①各項目を平均値±標準偏差で集計,②各項目に対して,入院時Alb値をもとに標準群(3.6g/dl以上)・低栄養群(3.5g/dl以下)の2群に群分けし,Pearsonのχ2検定,Mann-WhitneyのU検定を実施,③2群それぞれのM-FIM改善度を退院時M-FIM-入院時M-FIM(以下M-FIM利得)として算出し,Mann-WhitneyのU検定を実施した。統計的解析にはR2.8.1を使用し,有意水準は5%未満とした。
【結果と考察】
①入院時Alb値3.5±0.4,入院時M-FIM65.4±15.3,退院時M-FIM77.8±12.3②標準群83名(平均値3.8±0.2g/dl),低栄養群103名(平均値3.2±0.2g/dl)で,全てに有意差がみられた。③M-FIM利得は標準群10.8±8.2,低栄養群13.7±10.0で有意差がみられた。入院時Alb値が3.6g/dl未満の患者が56.3%となった。退院時M-FIMは入院時Alb値標準群が有意に高値を示したことから入院時の栄養状態は退院時M-FIMに影響を与えることが示唆された。また,M-FIM利得は標準群よりも低栄養群で有意に高値を示した。これは,低栄養も伴いM-FIMの低下をきたしていた患者に対して栄養管理に伴う運動療法の提供によりM-FIM利得が増大したと考えられる。ただし栄養の改善度がどのように影響したのかは示されていないため,さらなる検証が必要であると考える。
運動能力の改善には運動療法等による介入と共に栄養状態が重要と考えられるが,回復期病棟入院時から栄養障害を認める患者を多く経験する。そこで今回,①運動器疾患患者の属性を調査,②退院時Functional Independence Measureの運動項目(以下M-FIM)と栄養状態の関係性を検討,③M-FIM改善度と栄養状態の関係性を検討することとした。
【方法】
平成23年10月~平成25年3月にA病院回復期病棟を退院した運動器疾患患者でデータに不備がなかった186名(平均年齢80.1±11.1歳)を対象とした。調査項目は年齢,入院時血清アルブミン値(以下Alb値),入院時・退院時M-FIMとした。検討方法は,①各項目を平均値±標準偏差で集計,②各項目に対して,入院時Alb値をもとに標準群(3.6g/dl以上)・低栄養群(3.5g/dl以下)の2群に群分けし,Pearsonのχ2検定,Mann-WhitneyのU検定を実施,③2群それぞれのM-FIM改善度を退院時M-FIM-入院時M-FIM(以下M-FIM利得)として算出し,Mann-WhitneyのU検定を実施した。統計的解析にはR2.8.1を使用し,有意水準は5%未満とした。
【結果と考察】
①入院時Alb値3.5±0.4,入院時M-FIM65.4±15.3,退院時M-FIM77.8±12.3②標準群83名(平均値3.8±0.2g/dl),低栄養群103名(平均値3.2±0.2g/dl)で,全てに有意差がみられた。③M-FIM利得は標準群10.8±8.2,低栄養群13.7±10.0で有意差がみられた。入院時Alb値が3.6g/dl未満の患者が56.3%となった。退院時M-FIMは入院時Alb値標準群が有意に高値を示したことから入院時の栄養状態は退院時M-FIMに影響を与えることが示唆された。また,M-FIM利得は標準群よりも低栄養群で有意に高値を示した。これは,低栄養も伴いM-FIMの低下をきたしていた患者に対して栄養管理に伴う運動療法の提供によりM-FIM利得が増大したと考えられる。ただし栄養の改善度がどのように影響したのかは示されていないため,さらなる検証が必要であると考える。